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【Well-Kaigo】認知症患者とは?

【末尾に中国語、タイ語、英語の翻訳文を挿入しております】
文末附有中文、泰文和英文翻译
ส่วนท้ายมีการแปลเป็นภาษาจีน ภาษาไทย และภาษาอังกฤษ
Translations in Chinese, Thai, and English are provided at the end.


「認知症患者」と呼ばない理由 〜共に生きる介護を目指して〜
本日は「認知症患者とは?」というテーマについてお話しします。
この言葉、実は私にとってはあまり使いたくない表現なのです。その理由を、少し丁寧にお伝えしていきたいと思います。

「認知症患者」という言葉の違和感
かつては「痴呆」という呼び方が一般的だった時代もありましたが、2000年に介護保険制度が始まり、それに伴って「認知症」という表現が主流となりました。
しかし、ここで注意すべきは、その後の“呼び方”の変化です。たとえば「認知症患者」という言い方。
医療現場では自然に使われていることが多いですが、介護の現場では違和感を覚える方も少なくありません。

そもそも「患者」とは、病気を抱え、治療を受ける人を指す言葉です。
病院を訪れた時点で「患者」と呼ばれます。
そして、医師や看護師の間ではそれが当たり前になっています。
一方で、介護の現場では、「入居者さん」「利用者さん」など、より生活に根ざした呼び方が使われます。
この違い、実は非常に大切な視点なのです。

なぜ「患者」と呼ばないのか?
認知症は、アルツハイマー型やレビー小体型などの病名がついているため、医療では「患者」と捉えられる場面もあるでしょう。
しかし、私たち介護の現場では、認知症を「治すべき病気」としてだけでなく、「共に生きる状態」として捉えています。

もちろん、薬の効果などで一時的に症状が軽くなる方もいます。でも、「完治する」ということは難しいのが現実です。
だからこそ、介護は“治す”のではなく、“支える「寄り添う」という視点で関わっていく必要があるのです。

私たちは、認知症の方を「患者」と呼ぶことで、無意識のうちに「治す対象」と見てしまうかもしれません。
でも、本来は「その人らしく生きること」を支援する存在であるべきです。だから私は、あえて「認知症高齢者」「認知症と共にある方」という言葉を使うようにしています。

AIや翻訳でも「患者」と訳されてしまう
最近、中国向けの認知症介護教材を作成する中で、AI翻訳を使っていて驚いたことがありました。
日本語で「認知症高齢者」と書いていても、自動翻訳ではほとんどが「認知症患者」と訳されてしまうのです。

このことからもわかるように、世の中のデータの多くが「認知症=患者」という前提で蓄積されているのです。
だからこそ、AIがそのまま「患者」と訳してしまうのも無理はありません。

でも、そこに違和感を持つこと。
そこから教育が始まると私は思っています。

「認知症=人」ではなく「認知症と共にある人」
これは英語表現でも同様です。英語では「Mr. Ogawa is dementia」とは言いません。
「Mr. Ogawa has dementia」や
「an elderly person with dementia」
のように、“with”や“has”を使って表現します。
つまり「病気と共にある人」「認知症という状態を持っている人」という表現が一般的なのです。

これを私たちも見習い、「○○さんは認知症だ」ではなく、「認知症と共に生きる○○さん」といった言い回しに変えていくことが、介護の文化を築く第一歩なのではないでしょうか。

データ上も「患者」とされているが…
厚生労働省の統計でも「認知症患者数」という言葉が使われています。その数は約600万人とも言われますが、軽度認知障害(MCI)を含めれば1000万人を超えるとも推定されています。ただし、ここで注意したいのは「どこでカウントしているのか」という点です。

病院などの医療現場ではデータ管理が進んでいるため、数字として見えやすいのは「患者」なのです。
しかし、介護の現場にいる「認知症高齢者」の数は、まだまだ把握しきれていない部分もあります。
だからこそ、単純に「患者数」として語ることには慎重になる必要があります。

これから、ここから:共に生きる社会を目指して
介護は「病気を治す」ことではありません。
「その人らしく生きる」ことを支える営みです。
だから私は、これからも「認知症患者」ではなく「認知症高齢者」「認知症と共にある人」という呼び方を選びます。

それは小さな言葉の選び方の違いかもしれません。
でも、その積み重ねが、介護のあり方、そして社会のあり方を変えていく力になると信じています。

どうか皆さんも、次に「認知症」という言葉に触れたときに、「その人をどう捉えるか?」という視点を持ってみてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今日も良い一日をお過ごしください。

↓↓↓詳細はPodcastから「ながら聴取」をしてください。

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