MENU

【尊厳Well-Kaigo】意外と見えない、福祉はまちづくり

【末尾に英語、中国語、タイ語の翻訳文を挿入しております】
文末附有中文、泰文和英文翻译
ส่วนท้ายมีการแปลเป็นภาษาจีน ภาษาไทย และภาษาอังกฤษ
Translations in Chinese, Thai, and English are provided at the end.

はじめに:福祉と都市計画のつながりを考える

「意外と見えない、福祉はまちづくり」というテーマでお話しします。

実は私自身、建設会社出身で、都市計画や街づくりという分野から介護の世界に入りました。
そのため、介護を「まちづくりの一部」として自然に捉えてきました。ですが、それが意外と周囲に伝わりづらいという実感があります。

「介護保険制度」と「まちづくり」の接点


介護保険制度が始まったとき、「入り口は個別ケア、出口は地域」と言われていました。これは、制度を利用して終わるのではなく、地域でどう生きるかを支える福祉の仕組みだという意味です。

たとえば、施設を作るときの住民説明会、職員採用時のプレゼンなどで、私は「福祉はまちづくり」という言葉を当たり前のように使ってきました。救急車が走り、送迎車がまちを行き交う光景もまた、まちづくりの一部なのです。


高齢者住宅やサービス付き高齢者向け住宅、ケアハウスなどを個別に作るだけでなく、それらを地域単位でつなぐ「地域包括ケアシステム」が現在、日本では主流になっています。

これは、まち単位で福祉を再構成していこうという国の方針でもあります。

アジア各国にこの仕組みを伝える際、「介護施設を作りたい」「訪問看護を始めたい」という具体的な要望が多く寄せられます。
特に中国ではスケールが大きく、人口や面積を強調する説明が主流です。

東京ドーム○個分で語られる「規模感」
中国では「この街の人口は1000万人」「東京ドーム100個分の面積」など、スケール感で物事を測る傾向があります。それに比べ、日本の区や市は規模が小さいため、地域の繋がりや連携が重視される構造になっていると感じます。

私は特別養護老人ホームを運営していたとき、東京都の都営住宅跡地の公募に採択されて、その運営10年ほど関わっていました。それもまさに都市計画の中の一部であり、大きな団地の中の一角を活用するものでした。

地域包括支援センターと介護の配置
介護保険制度においては、地域包括支援センターが人口2万〜2万5000人規模で設置されています。私自身もセンター長を務めた経験がありますが、この支援センターの配置もまた都市計画の要素のひとつです。

福祉だけでなく、道路、電気、水、排水といったインフラ整備と密接に関わっています。
建物を建てるには道路に面していないといけない、救急車が来られるようにする…こうした視点すべてが都市づくりに組み込まれているのです。

まちの中に「生きる流れ」をつくる
介護を必要とする高齢者の生活には、病院から在宅介護、そして施設へと移行していく流れがあります。
これは一人ひとりの命の流れであり、まさに「暮らしの計画=都市計画」とも言えるものです。

CCRC(Continuing Care Retirement Community)のように、高齢者だけが集まる町を新たに作る方法もありますが、日本では今ある町の中に高齢者が暮らせる環境を整える方が主流です。
これこそが「地域包括ケアシステム」であり、福祉とまちづくりの融合のかたちです。

海外に伝える難しさと可能性
中国やマレーシアなどにこの仕組みを伝える際、「訪問介護ですか?」「介護士の教育ですか?」と、個々のサービスに目が向けられがちです。しかし本質は、これらを「まち全体でどうつなげるか」という視点にあります。

行政区を10個に分けて俯瞰すれば、どこにどんな施設が必要か、どのように連携するかという「設計図」が見えてきます。これをビジネスとして再構築していくことが、シルバー産業の未来にもつながるのです。

5km圏内に“暮らし”は揃っているか?
自分が暮らす地域の中に、スーパーや警察、学校、コンビニ、介護サービス、生活支援施設があるかどうか。それを確かめることは、まちづくりの出発点です。

都市計画は、建物を建てるためのものだけではなく、人が安心して暮らすための「ライフデザイン」なのです。水道や電気、排水システムの整備、災害対応まで含めて、人のいのちを守る構造をつくっています。

これから、ここから
尊厳ある介護とは、「その人がその町で最後まで暮らせること」を支える仕組みです。都市の姿を見つめ直し、介護をまちづくりの一部として捉えること。それこそが、これからの高齢社会を支える鍵なのです。

ぜひ、自分の住むまちを見渡してみてください。そこに“福祉”が見えてくるはずです。

↓↓↓詳細はPodcastから「ながら聴取」をしてください。

Let's share this post !

Author of this article

Comments

To comment

Please Login to Comment.

TOC