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【介護経営】施設長の能力

【末尾に中国語、タイ語、英語の翻訳文を挿入しております】
文末附有中文、泰文和英文翻译
ส่วนท้ายมีการแปลเป็นภาษาจีน ภาษาไทย และภาษาอังกฤษ
Translations in Chinese, Thai, and English are provided at the end.

施設長の役割とは?
信頼される経営者になるために必要なこと


ウエルエイジング・アワー対談版
(対談者)田村武晴/日本ウエルエージング協会理事・おうちデイ新聞発行責任者

今回のテーマは「介護経営と施設長の能力」についてです。

介護施設の中でも特に重要なポジションである「施設長」。その役割と能力について、現場経験を持つ私たちの視点から考えてみたいと思います。

施設長という立場の意味
介護業界において、施設長という肩書きは、特別養護老人ホームでは「施設長」、在宅系では「管理者」と呼ばれることが多いです。私自身、かつて施設長を務めていた経験がありますが、その仕事は本当に大変でありながら、やりがいも大きいものでした。

しかし一方で、こんな疑問も湧いてきます。「果たして施設長は本当に必要なのか?」という逆説的な問いです。

組織が成熟すれば施設長はいらなくなる?
この問いには2つの見方があります。
一つは、まだ組織や仕組みが未成熟な状態であれば、施設長のリーダーシップは不可欠です。しかし、しっかりとしたシステムとチームが整えば、施設長は日々の現場に張り付いている必要がなくなるとも言えます。

実際、私も施設開設当初は1日も休まず奔走しましたが、2年ほどで現場が自走し始め、私があまり前に出なくても運営が安定するようになりました。まさに組織の成熟です。

「誰でもなれる」けど「誰にでもできる」わけではない
施設長は制度上、特別な資格がなくてもなれる立場です。実際に、配置要件を満たせば多くの人が就任可能です。しかし、だからといって「誰にでも務まる」わけではありません。

求められるのは「信頼される人物」であること。これは過去の実績だけでなく、「未来を託せる人物かどうか」が問われます。利用者や地域、職員からの信頼を得ることが、施設長の最も大切な資質なのです。

トップの役割は「責任を取ること」
トヨタ自動車の豊田章男氏の言葉に、「トップの仕事は責任を取ること」というものがあります。組織がうまく機能していれば、トップは表に出なくてもよい。しかし、何かあれば全責任を負う。まさにそれが施設長の役割でもあります。

仕組みを整え、権限を適切に委譲し、現場が自主的に動くようになれば、施設長の出番は減ります。しかし、いざというときに責任を持てる存在として、常に組織の後ろ盾である必要があるのです。

「右腕」という存在の育成
また、施設長のもう一つの役割は、「右腕」を育てることです。自分の業務を任せられる存在、つまり自分の代わりになれる人材を育てていくこと。これが実現すれば、施設長は現場を離れても安心して任せることができます。

私の場合、自分がいなくても運営が滞らない体制を作るため、現場で起こる業務のルーティン化と責任の分担を徹底しました。
特に、送迎業務のように施設長が直接行うべきでない作業については、地域の信頼できる高齢者を運転手として雇用することで対応しました。結果的に、その方々が地域との橋渡し役にもなってくれたのです。

常勤かつ専任・・・その配置基準、見直す時期かもしれない
特別養護老人ホームでは、「施設長は常勤専任であること」が定められています。つまり他の業務と兼務はできないということです。しかし、実際には仕組みを整えると、施設長が常に現場にいる必要はなくなるケースもあります。

私は複数の施設の本部長を兼任していたため、1つの施設に常駐せずとも運営を管理していました。このような体制が可能であるならば、施設長を複数施設でシェアするという考え方も有効ではないでしょうか。

これからの施設長に求められるもの


日本だけでなく、これから本格的に高齢化を迎える中国などにおいても、施設長のような「現場を率いる経営者」の育成が求められる時代になります。現場の介護士の育成だけでなく、組織をデザインし、未来を読み解く力を持つリーダーを育てる仕組みが必要なのです。

私たちは、そうした未来を見据えた「施設長養成スクール」も計画しています。
現場をただ支えるだけでなく、地域社会全体を牽引するようなリーダーを育てたい。そうした思いで、これからも取り組んでいきたいと思っています。

施設長という立場は、ただ現場で指示を出すだけではなく、未来を託される存在です。信頼を積み重ね、仕組みを作り、責任を引き受ける。それこそが、これからの施設長に求められる本当の「能力」ではないでしょうか。

↓↓↓この記事の詳細はPodcastから「ながら聴取」をしてください。

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