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【尊厳Well-Kaigo】制度だけでは伝わらない?~日本の介護を伝えるために必要なこと

【末尾に英語、中国語、タイ語の翻訳文を挿入しております】
文末附有中文、泰文和英文翻译
ส่วนท้ายมีการแปลเป็นภาษาจีน ภาษาไทย และภาษาอังกฤษ
Translations in Chinese, Thai, and English are provided at the end.


介護の「仕組み」としての日本モデル


今回は「制度からシステムへ」というテーマで、日本の介護をどのように海外へ伝えていくべきかをお話しします。
ちょうど先日、中国の山東省と北京を訪問し、さまざまな現場と対話してきました。

今回の現地訪問を経て、あらためて感じたのは、日本の介護制度そのものではなく、「仕組み=システム」として捉え直す必要があるということです。

制度は「枠組み」──でも、それだけでは足りない


日本の介護保険制度は、要介護認定や介護報酬、配置基準など、非常に細かく制度化されています。
例えば、「要介護2なら月いくら」「職員配置は何人につき1人」といったルールが制度として明確に存在します。これにより、全国で一定の介護サービスが保障されているのは確かです。

しかし、この「制度」の話をそのまま中国やASEANに伝えても、うまく伝わりません。
なぜなら、そもそも公的介護保険制度が存在しない国が多く、制度そのものが前提にならないからです。
その結果、「制度は理解できたけれど、うちの国にはない」「だからお金の負担が大きくなる」と話が止まってしまいます。

システムとは「動かす仕組み」
では、どうすればいいのでしょうか。
そこで重要になるのが、「システム」という考え方です。私は、制度はあくまで“静的な枠組み”であり、それを“動かすための構造や運用”こそがシステムだと考えています。

たとえば、職員をどう採用し、どのように教育し、利用者にどうサービスを提供するのか。
その一連の流れやプロセスには、制度ではカバーしきれない実務的な工夫が必要です。
これが、私たちが海外に伝えるべき“介護システム”の核心です。

「再現性」があることの重要性
現地で言われた言葉の中に、「あなたの施設でできることを、他の施設でもできるようにしてください」というものがありました。

まさにその通りです。

日本の介護の現場では、「私の施設ではできた」という成功事例があっても、それを他の施設に横展開できる仕組みにしていないケースが多いのです。

これは、標準化や再現性の問題です。優れた実践は、仕組み化されてこそ他者の役に立ちます。
そのためには、目的を明確にし、共通の教育システムや評価基準、職員配置の流れなどを見える化することが求められます。

海外視察で問われる「見る目的」

最近では、中国からの視察希望も増えてきました。
皆さん非常に熱心で、「最新の医療・介護技術を見たい」「AIやテクノロジー活用の現場を見たい」と話されます。
ただ、見学の目的が不明確なことも少なくありません。

大切なのは、「何を見て、何を学び、どのように自国に持ち帰るか」という明確な視点を持つことです。

実際には、たくさん施設を見学するよりも、1つ1つの現場での対話や学びが重要で、「これを中国でどう再構築するか」を考えることが求められています。

「制度+実務」こそが伝えるべき内容
私たちが本当に伝えなければならないのは、制度の構成要素ではなく、それを活用して動かす“実務としての仕組み”です。
つまり、制度の理解ではなく、「制度をどう使いこなすか」という教育、商品、サービス、人材育成、ICTを含めた“介護モデル”を構築し、それを再現可能なパッケージにして届ける必要があります。

ここから、これから:仕組みを言語化し、図にして可視化を
中国をはじめとするアジア諸国に日本の介護を伝えるには、言葉と図で分かりやすく「仕組み」を説明することが欠かせません。

制度の話にとどまらず、運営・教育・現場実装まで含めた“介護ビジネスモデル”を、戦略的に構築し、共有していく段階にきているのだと感じます。

今後もこの“仕組み”を軸に、日本発の介護がアジアで展開されることを目指して、取り組んでいきたいと思います。

関心のある方は、末尾のお問い合わせフォームからお問合せをください。

↓↓↓詳細はPodcastから「ながら聴取」をしてください。

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