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【介護経営】分解してみる経費

【末尾に中国語、タイ語、英語の翻訳文を挿入しております】
文末附有中文、泰文和英文翻译
ส่วนท้ายมีการแปลเป็นภาษาจีน ภาษาไทย และภาษาอังกฤษ
Translations in Chinese, Thai, and English are provided at the end.

経費を分解して見えてくる、介護経営の本質
本日は「介護経営を分解してみる経費」というテーマでお話をしていきます。
3月末、まさに年度末というこの時期。
介護事業者の皆さまは、来年度に向けた事業計画と予算の編成を進められていることと思います。
今回は、経費の見直しを通して、どのように事業計画を実行し、日々の運営に活かすかという点にフォーカスしてお伝えしたいと思います。

数字が合わない、の正体とは?
「数字が合わない」というのは、単にお金の問題だけではありません。人が辞めていく、利用者が減っていく、あるいはサービスが本来の方向から少しずつズレていく…。こうした“ズレ”が積み重なった結果、いつの間にか経営が苦しくなる、ということが起きているのです。

そのズレにいち早く気づき、修正をかけるためには、日々の運営と計画のすり合わせが不可欠です。
介護報酬が入るのは請求から1~2ヶ月後。
つまり「今の運営が正しかったか」は、数ヶ月先に結果として出るのです。そのタイムラグの中で、先手を打つために“経費の見える化”が重要になります。

計画と運営の「すり合わせチェック」
多くの施設では、日次・週次・月次・半期などの単位で運営状況を確認していると思います。
たとえば今日の利用者数は?
職員は予定通り出勤しているか?
退職希望者はいないか?
昨日実施した研修は今日の現場で活かされているか?
こうした日々の積み重ねが、やがて月次の数字に表れていきます。

毎日の会議や報告が義務的に行われているだけでは、計画とのズレに気づけません。
逆に、明確な予算と計画があれば、その通りに進んでいるかどうかを確認し、修正する“価値あるチェック”が可能になるのです。

経費は「見える化」してこそ意味がある
経費の分解について考えてみましょう。
経費は大きく分けて「人件費」と「それ以外の経費」に分かれます。今回は後者について深掘りします。

まず、「事務費」と「事業費」という2つのカテゴリに分類されます。

事務費:電気代や光熱水費などの固定費、研修費、外注費、物品費などが含まれます。
直接的に収益を生まない「間接経費」です。
事業費:おむつ代、食材費など、介護サービスの提供に直結する経費で「直接経費」と呼ばれます。
例えば電気代を例にすると、単に「年間1000万円」と見ても、節約ポイントは見えてきません。月別に分けて「どこで高くなっているのか?」を見ていくと、異常値が発見できたりします。
あるいはフロアごとに電力量が大きく異なるとすれば、厨房の使用量が影響しているかもしれません。

委託費と食材費の見直しは重要な経営テーマ
厨房の運営においても、業務を委託している場合は特に経費構造の把握が必要です。
たとえば、厨房業務の委託費は「事務費」に、食材の仕入れは「事業費」に計上されていることが多くあります。

仮に1食あたりのコストが1800円かかっているのに、利用者から徴収できる上限額が1445円であれば、1人あたり1日で355円の赤字です。100人の入居者がいれば、1日で3万5千円、1ヶ月で100万円を超える赤字になります。

この赤字を「介護報酬」で補填するのは制度上不適切であり、本来であればコストダウンか、業者との契約の見直しが必要です。
委託費の内訳が加工費なのか、人件費なのか、そしてどこに改善余地があるのか。
ここを見抜く力が、経営改善には欠かせません。

食費の適正運用が経営を左右する
食費は介護経営の中でも最も大きな経費の一つです。先述のように、自己負担として設定された金額の中でやりくりをしなければなりません。
ところが現実には、契約先の業者がテクノロジーを活用していない、人材の質が安定しない、設備が古いといった理由から、費用対効果の悪い運営が行われていることがあります。

最近では、冷凍やクックチルなどの技術革新によって、小規模施設でも厨房を持たずに食事提供ができる時代になっています。
100人分の3食を1日1445円以内で提供できるような仕組みや委託先の選定が、これからの介護経営には求められます。

経費の分解と分析が経営力を高める
経費は“分解して初めて見える”ということが多くあります。
たとえば食費が赤字なのに、全体の事務費でしか見ていなければ、その赤字の正体には気づけません。
光熱費にしても、「なぜこんなに高いのか」「どこで使われているのか」「誰の判断か」という視点を持たなければ、改善の糸口を見つけることはできないのです。

こうした経費の分解能力が、経営力そのものであり、結果的には介護の質を高め、地域に貢献する力へとつながっていきます。

これから、ここから:稼働率だけでは見えない“経営の質”


よく「稼働率が重要」と言われますが、それだけでは経営の質は測れません。
むしろ、どんぶり勘定をやめ、経費を細かく分解し、改善すべきポイントを見出す力こそが、これからの介護経営に必要な力です。

もし、今の施設で「経費が見えていない」「委託先の契約が不透明」「数字が読めない」という課題を感じているなら、経営の再点検をしてみてください。
そして必要であれば、外部のコンサルタントと一緒にチェック体制を整えていくのも一つの手です。

ご覧いただきありがとうございました。
今日も良い一日をお過ごしください!

↓↓↓この記事の詳細はPodcastから「ながら聴取」をしてください。

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