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【介護選び】福祉文化から

(末尾に中国語、タイ語、英語の翻訳文を挿入しております)
文末附有中文、泰文和英文翻译
ส่วนท้ายมีการแปลเป็นภาษาจีน ภาษาไทย และภาษาอังกฤษ
Translations in Chinese, Thai, and English are provided at the end.

介護選びと福祉文化の視点 〜介護は芸術であり、文化である〜
今日も「ウエルエイジング・アワー」をお届けします。
本日のテーマは 「介護選びと福祉文化」 です。

最近、おうちデイ新聞の田村武晴さんとともにライブ配信を行いましたが、今日はひとりでお話しします。
田村さんとは今後も 週2回(火曜日と金曜日)を目安に対談形式 でお届けする予定です。二人で話すことで、思いがけない方向へ話が展開し、時間が倍になるほど盛り上がることがわかりました。一方、ひとりで話すことで深く掘り下げることもできます。それぞれの良さを活かしながら配信を続けていこうと考えています。

介護現場における「対話」の重要性
YouTubeなどで専門的な話を聞くのも有益ですが、やはり 対談形式や複数人でのトーク には大きな価値があります。それは、介護現場にも応用できるのではないでしょうか。

一般的に、介護は 「1対1の個別ケア」が基本 ですが、これを 「1対2」や「2対2」など、異なる組み合わせ にしてみることで、より豊かなコミュニケーションが生まれる可能性があります。

大人数での対話になると「傾聴」ではなく「講演」になりがちですが、少人数の対話であれば、お互いの気持ちを汲み取りながら話を深めることができます。

この考え方は、日々のケアやレクリエーションの場面でも応用できるのではないかと思います。

「福祉文化」という考え方
昨日の対談で、「福祉の社会化」や「社会の福祉化」という表現を使いましたが、改めて考えると 「福祉の文化化」 という表現のほうが的確かもしれません。

この概念は、日本福祉文化学会の初代会長である 一番ヶ瀬康子先生 から学びました。彼女は 「福祉文化とは、すべての人がその人らしく、かけがえのない人生を送ることができる社会の実現を目指すもの」 だと定義しています。

私は長年、介護の世界で 「個別ケア」 を大切にしてきましたが、その延長線上に「福祉文化」があるのではないかと感じています。

さらに、日本ウエルエージング協会の創設者である 吉田壽三郎医師 は、「高齢社会は文明である」と述べています。文化と文明の違いについては改めて掘り下げたいですが、福祉や介護に関する理念は、時代が変わっても普遍的である という点は変わりません。

私たちは、先人たちが築いた理念や哲学を継承しながら、時代に合わせて介護のあり方を考え続ける必要があります。

介護の「福祉文化化」とは?
一番ヶ瀬先生は、「福祉文化」を 3つの段階 で捉えています。

生命文化(命)
生活文化(暮らし)
環境・芸術・社会文化(社会のあり方)
私自身、介護を 「生活支援」 と捉えているため、第2段階の「生活文化」に強い関心があります。しかし、介護をより深く考えると、第3段階の 「環境・芸術・社会文化」 も無視できません。

例えば、介護施設の 「建築環境」 はもちろん重要ですが、それだけでなく、 「社会環境」 にも目を向けるべきです。高齢者が社会から孤立せず、当たり前の存在として尊重される社会づくりこそが、「文化の福祉化」なのではないでしょうか。

介護と「芸術」


日野原重明先生(聖路加国際病院名誉院長)は、「医療はアートである」 と言いました。

介護も同じではないでしょうか。技術や制度だけでは成し得ない 「人間らしさ」 が、介護には求められています。

例えば、介護の現場では、エンゼルケア(死後のケア) の際に、亡くなった方にお化粧を施すことがあります。それは、単なる「処置」ではなく、人生の最期を美しく彩る行為 です。職員が家族に「お母さんが生前使っていた口紅をお持ちください」と声をかける。その小さな心遣いこそが、介護の芸術性 ではないでしょうか。

また、人生の最終段階にいる人の顔が、時折 「輝いて見える」 ことがあります。宗教的な表現でいう「後光が差す」という現象と同じかもしれません。それは、単なる偶然ではなく、介護という営みの中に 「芸術」 が宿る瞬間なのだと私は考えています。

「美しい生き方」とは何か
エイジングに関する研究では、「美しさ」について様々な視点があります。

・肌年齢の美しさ
・顔に刻まれたシワが語る人生の深み
・外見の若さを保つことと、内面の成熟を両立すること

単なるアンチエイジングではなく、「年齢を重ねたからこそ生まれる美しさ」 こそが、本当の「アート」なのかもしれません。

そう考えると、高齢者の方々の 「生き様」 自体が 「芸術」 なのではないかと思えてきます。

介護選びの視点
「福祉の文化化」や「文化の福祉化」という視点で介護を考えたとき、「介護選び」 も変わってきます。

・ どのような理念を持った施設なのか?
・ 生活文化を尊重した介護が行われているか?
・ 芸術的な視点を持つケアが提供されているか?

介護施設やサービスを選ぶ際に、「設備」や「費用」だけでなく、「福祉文化」の視点で考えることで、より納得のいく選択ができるのではないでしょうか。

ここから、これから
「介護は福祉であり、文化であり、芸術である」。

この視点を持つことで、私たちの介護のあり方も変わってくるはずです。そして、それを次の世代に引き継いでいくことこそが、私たちの役割ではないでしょうか。

今日の話が、高齢社会を生きている方々の介護選びのヒントになれば幸いです。
それでは、また次回お会いしましょう。

↓↓↓詳細はPodcastから「ながら聴取」をしてください。

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