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【尊厳Well-Kaigo】認知症の周辺症状BPSDの謎

【多言語ブログ/末尾に中国語、タイ語、英語の翻訳文を挿入しております】
【多语言博客/文末附有中文、泰文和英文翻译内容】
【บล็อกหลายภาษา/มีคำแปลภาษาจีน ภาษาไทย และภาษาอังกฤษอยู่ท้ายบทความ】
【Multilingual Blog / Translations in Chinese, Thai, and English are included at the end of the article】


はじめに
皆さま、こんにちは。利久です。
本日は「認知症の周辺症状──BPSDの謎」について考えていきたいと思います。

朝の隅田川は秋の気配が漂い、少し涼しさを感じる季節となりました。自然の移ろいと同じように、人の心や行動にも変化が訪れます。認知症における「周辺症状」も、まさにその一例と言えるでしょう。

私は最近、日本語だけでなく中国語や英語、英語など多言語での発信を試みています。動画やブログを通じて、認知症ケアの知見を海外の方々にも届けるためです。
中国のWeChatにも投稿を始めましたが、こうして国や言語を超えて介護について考えられる時代になったことを実感しています。

中核症状と周辺症状(BPSD)の違い


認知症の症状には、大きく分けて「中核症状」と「周辺症状」があります。

中核症状:脳の器質的な障害によって直接起こるもの。記憶障害や見当識障害が代表的です。
周辺症状(BPSD):中核症状の結果として現れる心理・行動の変化。帰宅願望や大声を出す行為、食行動の異常などが含まれます。
BPSDは本人の内面にある不安や混乱が表に出たものであり、介護者にとって対応が難しい領域です。しかしその背景には必ず理由があります。

BPSDを理解するための3つの視点
私がこれまでの経験から大切だと感じているのは、次の3つの視点です。

脳科学的な理解
認知症の診断名や脳のどの部分に障害があるのか、薬物療法の影響など、医学的な観点から理解することが出発点になります。

その人を知ること
どこで生まれ、何を大切にして生きてきたのか。どんな食べ物を好み、どのような人生を歩んできたのか。現在の体調や気分とあわせて「その人の物語」を知ることが大切です。

接し方とコミュニケーション
否定せずに受け止め、適切な言葉や態度を選ぶこと。時には非言語的な表現(表情やしぐさ)も重要です。介護者の接し方ひとつで、周辺症状は大きく変わります。

個別対応の重要性
例えば「帰宅願望」がある方に一律の対応マニュアルをあてはめるのは難しいことです。同じ症状でも、朝に強く出る方もいれば、夜に強く出る方もいます。男性か女性か、家庭環境はどうか、食事や体調の影響はどうかによっても変わります。

そのため、私たちは「正解」を探すよりも「問いかけ」を増やす必要があります。

今の体調はどうか
服薬状況はどうか
誰と一緒にいるか
どんな環境か
こうした情報を多職種で共有し、事例検討会を重ねることが解決への道筋になります。

身体拘束という課題
BPSD対応の歴史を振り返ると、かつては「身体拘束」が多く行われていました。大声を出すから部屋に閉じ込める、点滴を抜かないように手袋で拘束するなど、今では不適切とされる方法です。

しかしアジア諸国では、まだ身体拘束が一般的に行われている国もあります。教育や制度の段階が異なるため、そこで日本の「身体拘束ゼロ」の取り組みを伝えることには大きな意味があります。尊厳を守ることが、BPSD対応の第一歩だからです。

コミュニケーションが開く道
周辺症状は「不安」や「恐怖」といった感情の表れです。本人の感情を理解し、安心できる環境をつくることが大切です。

否定せずに受け止める
なぜだろうと考えるメタ認知の姿勢を持つ
相手の立場に立ったコミュニケーションを心がける
これらを実践することで、BPSDの多くは和らいでいきます。大切なのは「症状」だけを見ず、「人」を見ることです。

国際的な視点から
私は最近、中国やマレーシア、タイといった国々と連携しながら介護教育を広げています。現地では認知症への理解がまだ十分ではなく、家族も介護者も強い不安を抱えています。

そこで日本の経験を伝えることが役立ちます。日本も介護保険制度が始まった当初は混乱し、試行錯誤を繰り返しました。その過程を共有することで、他国における介護教育や制度づくりの一助となるはずです。

これから、ここから
「BPSDの謎」を解くカギは、脳を理解すること、その人を深く知ること、そして適切なコミュニケーションをとることにあります。

認知症の方の行動は「困った症状」ではなく、「心の声」です。その声に耳を傾け、尊厳を守る姿勢こそが、介護の原点ではないでしょうか。

これからも日本の尊厳介護の知恵を発信しながら、各国の現場と学び合い、より良いケアを共に築いていきたいと思います。

ご質問は本サイトの「お問い合わせ欄」からお気軽にお寄せください。

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