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【尊厳Well-Kaigo】オキシトシンを引き出す介護の工夫

【多言語ブログ/末尾に中国語、タイ語、英語の翻訳文を挿入しております】
【多语言博客/文末附有中文、泰文和英文翻译内容】
【บล็อกหลายภาษา/มีคำแปลภาษาจีน ภาษาไทย และภาษาอังกฤษอยู่ท้ายบทความ】
【Multilingual Blog / Translations in Chinese, Thai, and English are included at the end of the article】


〜愛情ホルモンがつなぐ“人と人”の関係性〜
今日も隅田川のほとりから、ウエルエイジング・アワー「朝のウォーキングラジオ」をお届けいたします。
今回のテーマは「オキシトシンを引き出す介護の工夫」。
いわゆる“愛情ホルモン”として知られるオキシトシンに注目し、介護現場でどのように活かすことができるかを考えていきたいと思います。

オキシトシンとは何か?


オキシトシンは、ドーパミンやセロトニンと並ぶ重要な神経伝達物質です。
近年では「愛情ホルモン」や「絆ホルモン」とも呼ばれ、人との信頼関係やふれあい、共感によって分泌が促されることがわかっています。

たとえば、手を握る・目を合わせる・笑顔で話す――こうしたシンプルな行為が、私たちの体の中でオキシトシンの放出を促しているのです。

触れ合いがもたらす“科学的な安心”


介護の現場では「やさしくふれる」「目を見て声をかける」など、いわば“当たり前”のように語られてきた行動がたくさんあります。
しかしそれらは感覚や感情論にとどまらず、科学的な裏付けをもつ重要なケアの要素なのです。

オキシトシンが十分に分泌されることで、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が抑えられ、認知症の行動・心理症状(BPSD)の軽減にもつながる可能性があります。

触れられ方で変わるオキシトシンの量
一方で、相手との信頼関係が築かれていない状態での接触は、逆効果になることがあります。
嫌いな人に突然肩を叩かれたり、乱暴に話しかけられたりすると、オキシトシンどころかコルチゾールが大量に分泌され、ストレス反応が起こります。

だからこそ、介護者が行う「存在確認」「目線を合わせる」「呼吸を合わせて話す」といった基本動作が、実は極めて重要なのです。

科学が証明する“家族性とオキシトシン”
非常に興味深い研究として、「プレーリーハタネズミとカリフォルニアハタネズミ」の比較があります。

群れをなして生きるプレーリーハタネズミは、オキシトシンの分泌量が非常に高い一方、単独で生きるカリフォルニアハタネズミではほとんど分泌されないことが分かっています。
つまり、家族的・社会的な行動をする動物ほど、オキシトシンが多く分泌されるのです。

この研究は、介護の在り方にも大きな示唆を与えてくれます。

介護ロボットと“愛情”の相性とは?
では、人間の代わりにロボットが介護を行った場合、オキシトシンは出るのでしょうか?
実際に、ペットロボットや介護ロボットの研究では、人とのふれあいによってオキシトシンが分泌される事例も報告されています。

ロボットにも「目線」「表情」「声のトーン」「ゆっくりとした動き」など、人と信頼関係を築けるようなデザインが求められています。
ただしそれは、単なる機能性ではなく、「感情をもった接し方」を再現できるかどうかにかかっています。

犬はなぜ“人類の友”なのか?
また、ペットとオキシトシンの関係にも注目が集まっています。
とくに犬と人間の関係は興味深く、犬と目を合わせるだけで双方のオキシトシンが分泌されることがわかっています。
犬は“群れをつくる動物”であり、プレーリーハタネズミに似た社会性をもつためです。

一方で、猫はやや異なる性質をもち、オキシトシンの分泌への影響には個体差があります。
それでも、高齢者がペットを家族同様に接することで、日常に安心感や笑顔が増えているのは確かな現象です。

認知症介護における科学的触れ合い
介護の現場では、「触れ合う」「寄り添う」といった言葉が使われてきましたが、いま必要なのはそれを“科学的に語る”視点です。
存在確認からはじまり、声のトーン、ふれ方、目線、呼吸をあわせた接触――
これらがすべて、オキシトシンを引き出す介護技術であることを、私たちはもっと共有していく必要があります。

社会的孤立を防ぐ「Well-Kaigo」のアプローチ
現代社会では、高齢者の孤立が深刻な問題となっています。
そしてこの“孤独”は、オキシトシン不足と深く関係しているとも考えられています。

だからこそ、私は、「尊厳Well-Kaigo」の考え方をベースに、触れ合いとつながりを再構築する介護の教育と実践を、国内外へと広げていこうとしています。

これから、ここから:アジアに広がるWell-Kaigoの輪
中国、マレーシア、タイなど、今後もアジア諸国と連携しながら、
日本の介護実践と科学的知見を融合させた「触れる介護」を共有していきたいと思います。

社会的孤立を解消し、オキシトシンに満ちた暮らしを実現すること。
それが私たちの目指す「生ききる尊厳介護」のかたちです。

今日もよい一日をお過ごしください。

↓↓↓詳細はPodcastから「ながら聴取」をしてください。

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