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【尊厳Well-Kaigo】できる!認知症予防

【多言語ブログ/末尾に中国語、タイ語、英語の翻訳文を挿入しております】
【多语言博客/文末附有中文、泰文和英文翻译内容】
【บล็อกหลายภาษา/มีคำแปลภาษาจีน ภาษาไทย และภาษาอังกฤษอยู่ท้ายบทความ】
【Multilingual Blog / Translations in Chinese, Thai, and English are included at the end of the article】

原因疾患・脳科学・生活習慣から考える

おはようございます。利久です。
今日の「ウエルエイジング・アワー」では、朝のウォーキングラジオから「できる!認知症予防」というテーマでお話しします。曇り空の隅田川沿い。手袋が欲しくなるほどの肌寒さの中、静かに歩きながら考えました。

■ バンコクから届いた報告:介護現場の今


昨夜は「ウェルエイジング・タイ・ライブ」で、バンコクのポンチャイさん、そして特定技能として日本で介護の現場に立つベルさんと「認知症予防」について意見交換を行いました。
タイの高齢化率はすでに15%を超え、平均寿命は80歳弱。認知症と診断されている方は約84万人にのぼりますが、介護施設や専門サービスの整備はまだ十分とは言えません。ポンチャイさんの報告によると、「認知症」そのものへの理解が進まず、社会的な認知も低いとのことでした。

この状況は、まるで2000年の日本の姿に似ています。当時、日本では高齢化率が17%を超え、公的介護保険制度がスタートしました。認知症ケアの必要性が国として認められ、グループホームなどの仕組みが整えられたのです。タイやマレーシアなど、今まさにアジアの国々が同じ道を歩もうとしています。

■ 認知症はなぜ起こるのか――4つの視点から
ベルさんとの対話で印象的だったのは、「今、認知症である方も、かつては認知症ではなかった」という言葉です。
では、その変化はどこから始まったのか? 原因を探る鍵は、以下の4つの視点にあります。

① 原因疾患(基礎疾患)
糖尿病、脳血管障害、高血圧など、慢性的な病気が脳機能の低下につながります。これらの疾患を早期にコントロールすることが、認知症予防の第一歩です。

② 脳科学的視点
脳のどの部分がダメージを受けているか、あるいは心理的ストレスがどのように脳の活動を抑制しているか。行動や感情の変化には、必ず脳の反応があります。感情・記憶・判断を司る領域を活性化する生活が、脳の健康を支えます。

③ 生活習慣
食生活、運動、睡眠、ストレス、教育歴――これらすべてが脳の健康に関係しています。どんな食文化の中で育ち、どんな仕事や人間関係を築いてきたのか。そうした「人生の積み重ね」こそが、予防の起点になるのです。

④ 環境の影響――住まいと脳の関係
もう一つ大切なのが「住環境」です。
たとえば、照明が暗く、外光が入らない部屋。騒音が多く落ち着けない空間。これらは脳に慢性的なストレスを与えます。
また、一人暮らしの孤立や、誰とも会話しない時間の長さも、脳の活動を鈍らせる原因になります。
環境を整え、刺激と安心が共存する空間をつくること。これも立派な「認知症予防」です。

「できる」認知症予防とは何か
私が伝えたいのは、「認知症予防はできる」ということです。
それは単なるスローガンではありません。実際に、原因疾患・脳の働き・生活習慣・環境という4つの要素を整理して向き合えば、予防の可能性は確実に広がります。

認知症介護の現場で働く方々の姿を見ていると、笑顔や言葉が行動にどんな影響を与えるのかがよく分かります。
優しく声をかけるだけで穏やかになり、安心感が生まれる。逆に、急かす言葉で不安を生むこともある。
脳の働きと心の動きを理解することが、介護者自身の成長にもつながっていくのです。

日本の経験を活かすとき
日本では介護保険制度が始まって6年後の2006年、「介護予防」が国の政策として本格化しました。
その背景には、財源問題だけでなく、「介護を支えるために、まず予防を」という思想がありました。
今、タイやマレーシア、中国が同じ課題に直面しています。
日本が25年かけて積み上げてきた経験を、最初から「予防」と「介護」を同時に設計できる国々に伝えること。
それが私たちの使命であり、責任だと感じています。

高齢者共感体験「インスタントシニア2.5」へ
私たち日本ウエルエイジング協会では、かつての「高齢者疑似体験」を「高齢者共感体験」へと進化させました。
「老いる」ことを疑似的に味わうだけでなく、「老いを生きる人の気持ちに寄り添う」体験へ。
その中に「認知症体験」「看取り体験」を加え、心と体の変化を感じながら、地域社会のあり方を考えるプログラムを再構成しています。

この「インスタントシニア2.5」は、単なる研修ではありません。
教育、看護、リハビリ、建築、食、AI、ロボット――多分野の知恵を融合し、「尊厳ある老い」を社会に実装する試みです。

予防から共創へ
認知症予防は、一人の努力では続きません。
家族、地域、医療、介護、行政、そしてテクノロジー――それぞれの力がつながることで、初めて「支え合う社会」が生まれます。
AIを活用した健康分析や生活モニタリングも、予防を支える大きな力になります。
重要なのは、「データ」よりも「尊厳」を中心に据えること。AIの分析も、最終的には「人の笑顔」を守るためにあるのです。

これから、ここから―尊厳を軸にした介護へ
私が今取り組んでいるのは、介護と予防を一体化したプログラムの再構築です。
病気を治すための医療から、「生きる力を支える介護」へ。
そして、尊厳を軸にした新しいウェルネスモデルを、アジアの仲間たちと共に創り上げていきたい。

そのために、日本で培った介護・教育・環境デザイン・食文化の知恵をつなげ、AI共創による「健康寿命の延伸」を目指しています。
認知症予防は、決して遠い理想ではありません。
「できる」と信じ、日々の生活を少しずつ整える――その積み重ねが、明るい未来を形づくるのです。

ご質問は本サイトの「お問い合わせ欄」からお気軽にお寄せください。

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