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【尊厳Well-Kaigo】介護の仕事が喜びになるために

【多言語ブログ/末尾に中国語、タイ語、英語の翻訳文を挿入しております】
【多语言博客/文末附有中文、泰文和英文翻译内容】
【บล็อกหลายภาษา/มีคำแปลภาษาจีน ภาษาไทย และภาษาอังกฤษอยู่ท้ายบทความ】
【Multilingual Blog / Translations in Chinese, Thai, and English are included at the end of the article】


はじめに
本日の「ウエルエイジング・アワー」では、「介護の仕事が喜びになるために」というテーマでお話しします。昨日行った「Well Aging Thailand Live」を振り返りながら、日本とタイの介護の現状を比較し、そこから見えてきた「介護の本質」について考えてみたいと思います。

タイにおける介護の現状
タイはすでに高齢化率15%を超え、高齢社会に突入しています。しかし、介護サービスや教育の体系はまだ十分に整っていません。看護の補助的な役割として捉えられていることが多く、日本でいう「看護助手」のイメージが強いのです。

ライブでは、バンコク在住のPornchaiさんがこんな問いを投げかけてくれました。
「介護の仕事は、病院で看護師を支える看護助手とどう違うのですか?」

この疑問はタイだけでなく、アジアの多くの国々に共通しているものです。つまり、「介護」が独立した専門職として確立していない現実を象徴しています。

外国人介護人材の挑戦 ― Bellさんの物語
昨日のライブで特に印象的だったのは、現在日本の老人ホームで働くBellさんの話です。彼女は特定技能の在留資格で来日し、日々利用者の生活を支えています。そして今、介護福祉士の国家試験に挑戦しようとしています。

「夜勤は月に8回。体力的には正直大変です。でも、夜勤手当でしゅうが増えて嬉しいです」

そう語るBellさんの表情には、疲労と同時に確かな誇りが見えました。夜勤の仕事は入居者の就寝介助や夜間の見守りなど、生活の裏側を支える重要な役割です。しかし、日中のレクリエーションや家族との交流に直接関われないため、やりがいを感じにくい一面もあります。

それでも彼女が介護福祉士を目指すのは、単に資格を取って在留資格を安定させるためだけではありません。
「もっと専門的な介護を身につけて、将来は母国タイの高齢者を支える力になりたい」
そう語るBellさんの言葉には、夢と決意が込められていました。

介護と看護の違い
ここで改めて「介護」と「看護助手」の違いを整理してみましょう。
医療は治療や回復を目的に、生活の一部を犠牲にしてでも病気を治すことを優先します。そのため看護師は多忙になり、ベッドメイキングや清掃などは看護助手に任されることがあります。

一方、介護の仕事は生活そのものを支えることにあります。食事や排泄、入浴といった日常を整えるだけでなく、「その人らしい暮らし」を守ることが目的です。

例えば、ある利用者の方が「朝は必ず味噌汁を飲まないと1日が始まらない」と言ったとします。介護の専門性とは、その習慣を尊重し、健康状態や施設の状況に合わせながらできる限り希望を叶える工夫をすることです。これは単なる補助的な仕事ではなく、「人生を支える仕事」なのです。

喜びの源泉 ― 「ありがとう」の一言


介護の仕事には、体力的にも精神的にも厳しい場面が数多くあります。夜勤続きで眠れない日もありますし、認知症の方から辛い言葉を投げかけられることもあります。

しかし、ある日ふと利用者の方から「あなたがいてくれるから安心だよ」と言われる。その瞬間に、これまでの疲れや不安が一気に和らぎます。

私自身、施設長時代に何度もこの言葉に救われました。どんなに大変でも「ありがとう」の一言が、介護を続ける原動力になっていくのです。

DSO理論が示す「やりがいの循環」
私はこの現象を脳科学的に「DSO理論」で説明しています。

ドーパミン:利用者からの感謝で「やる気」が生まれる
セロトニン:生活リズムを整えることで「安心感」が広がる
オキシトシン:信頼関係が築かれ「つながり」が深まる
介護の現場で「ありがとう」を受け取り、それに応えようと努力する。その積み重ねが脳内でポジティブな循環を生み、介護の仕事を「喜び」へと変えていくのです。

具体的な成長のステップ
介護のキャリアは、以下のように段階を踏んで深まっていきます。

模倣の段階:教わったとおりに介助を行う
個別対応の段階:利用者ごとの状態に合わせて工夫する
応用の段階:トラブルに対応し、他職種と連携できる
教育の段階:後輩や外国人スタッフに指導する
Bellさんが介護福祉士を目指すのも、この「成長の階段」を上りたいからです。そしてその先にあるのは、日本だけでなく、母国タイの高齢社会を支える未来です。

これから、ここから
介護の仕事は決して楽ではありません。しかし、利用者からの「ありがとう」が喜びへと変わり、それがキャリアの成長を後押しします。

これから日本もタイも、さらに高齢化が進みます。その時に必要なのは、単なる労働力としての介護ではなく、「人生を支える専門職」としての尊厳ある介護です。

私たちは国や文化を越えて学び合い、介護の喜びを共有していくことが求められています。そのための教育や仕組みづくりを進めることこそ、私の使命だと考えています。

共感いただける方、活動に興味がある方は末尾のお問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。

↓↓↓詳細は音声配信Podcastから「ながら聴取」をしてください。

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