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【尊厳Well-Kaigo】擬似から高齢者共感体験へ

【多言語ブログ/末尾に中国語、タイ語、英語の翻訳文を挿入しております】
【多语言博客/文末附有中文、泰文和英文翻译内容】
【บล็อกหลายภาษา/มีคำแปลภาษาจีน ภาษาไทย และภาษาอังกฤษอยู่ท้ายบทความ】
【Multilingual Blog / Translations in Chinese, Thai, and English are included at the end of the article】



本日の「ウエルエイジング・アワー(Well Aging Hour)」では、「擬似から高齢者共感体験へ」というテーマで、私が抱えてきた課題と、これからの方向性についてお話ししたいと思います。

私は現在、日本ウエルエージング協会(中国語表記:日本健康高龄者协会理事)の会長を務めています。その活動の一つに「®️ インスタントシニア」というプログラムがあります。これは1992年にカナダのオンタリオ州から導入され、日本に広がってきた「高齢者擬似体験プログラム」が原点です。しかし、そのカナダの発祥地においてこの活動は継承されていないため、私たちの活動が重要となっています。

高齢者擬似体験のはじまり
このプログラムでは、体におもりをつけたり、ゴーグルをかけて視界を制限したり、耳栓で聞こえを遮ったりして「高齢者の身体的な衰え」を体験してきました。
たとえば、箸で物をつまみにくくする、レジでお金を払ってみる、自動販売機で飲み物を買う──こうした体験を通じて、「高齢者になったら生活がどう変化するか」を実感するものでした。

当時はまだ高齢社会への理解が浅く、このプログラムは社会に大きな意義を持っていました。福祉施設や社会福祉協議会、企業研修などで広く活用され、教育的な価値が高く評価されてきました。

擬似体験から共感体験へ
しかし、私が会長を引き継いだ時点で、率直に「この擬似体験の役割はもう終わりつつあるのではないか」と感じていました。
確かに身体的な体験は大切です。しかし「見えにくい」「聞こえにくい」だけでは、現代の介護や社会の課題には十分応えられません。

社会の高齢化が急速に進む中で、求められているのは「体験」よりも「共感」だと気づきました。高齢者本人の気持ち、介護を支える家族の心、地域や企業がどのように高齢社会を支えるか──。そうした心の変化や接し方、さらには街づくりや教育のあり方にまで踏み込む必要があります。

世界で広がる高齢者体験教育
驚いたことに、この「®️ インスタントシニア」は日本だけでなく海外にも広がっていました。中国や東南アジアの看護学校では、すでにカリキュラムの中に高齢者擬似体験が組み込まれています。
つまり、私たちが気づかないうちに、この教育法は国際的に根付ち始めていたのです。

ただし、そこには限界もあります。介護の現場で直面する大きな課題──たとえば認知症への理解や、人生の最終段階での「看取り介護」などは、擬似体験では十分に伝えきれません。

認知症と看取りへの視点
私たちが本当に必要としている教育は、「認知症の方とどう関わるか」「看取りをどう支えるか」というテーマです。
人生の最終章をどう迎えるか、どんな気持ちで生き切るか。それを理解し支えるプログラムは、まだ社会全体には十分整備されていません。

そこで私は考えました。「擬似体験」から「共感体験」へとステップアップさせる必要があると。単に高齢者の身体を体験するだけではなく、記憶や感情、人生をどう理解し共に歩むかを学ぶプログラムに変えていく時代に入ったのです。

®️ インスタントシニアの進化
私はこの進化を「®️ インスタントシニア2.5」と呼んでいます。
1992年に始まった1.0、そして2020年に認知症や看取りを加えた2.0。その次の段階として「共感体験」を核とした2.5が生まれました。さらにその先にはAIを活用した「3.0」も視野に入れています。

AIと人間が協働する未来においても、人の尊厳を守る介護
【尊厳Well-Kaigo】を実現するためには、この共感体験が欠かせないと考えています。

これから、ここから
不満や否定で終わらせるのではなく、そこから新しい課題を見つけ出し、次の教育へと進化させていくことが大切です。
高齢者擬似体験を超え、共感体験を通じて「人間らしさ」「科学的根拠」「実践力」を備えた尊厳介護を育んでいく。

これこそが、日本ウエルエージング協会がこれから進める新たな挑戦です。そして日本だけでなく、中国やマレーシア、タイをはじめとするアジア諸国に伝えていく使命でもあります。

時代は変わり、介護も変わります。今こそ「共感体験」という新しい教育を広げ、誰もが安心して年齢を重ねられる社会を築いていきたいと考えています。

共感いただける方、活動に興味がある方は末尾のお問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。

↓↓↓詳細は音声配信Podcastから「ながら聴取」をしてください。

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