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【尊厳Well-Kaigo】認知症デイケアとは?


〜意外と知らない医療と介護の接点を探る

ウエルエイジング・アワー対談版
(対談者)田村武晴/日本ウエルエージング協会理事・おうちデイ新聞発行責任者

はじめに:デイケアって何ですか?
こんにちは、ウエルエイジング・アワーの小川利久です。今回は、意外と知られていない「認知症デイケア」について田村さんと一緒に考えながらご紹介します。

デイケアという言葉は耳にすることがあっても、「デイサービスとの違いは?」「医療なの?介護なの?」と疑問に思われる方も多いのではないでしょうか。実際、私自身も最近まではその違いを正確には把握していませんでした。

デイケアとデイサービスの違い
一般的な「デイサービス」は、介護保険による生活支援が中心です。食事や入浴、機能訓練などを通して在宅生活の支援を行います。
一方、「デイケア」は医療保険による支援であり、診療報酬の対象となる医療型の通所サービスです。とくに、精神科や認知症専門外来と併設されているケースが多く、医師の診察をもとに利用が決定されます。

「M判定」とは何か?


デイケアを理解する上で欠かせないキーワードが「M判定(メディカル判定)」です。
これは介護保険の認定審査とは別に、医師による高齢者の生活自立度評価に基づく医療的ニーズの有無を示す指標です。
たとえば、「要介護1~3程度」と判定されていても、認知症の進行によって昼夜逆転やBPSD(行動・心理症状)が現れている場合、医療的支援が必要と判断されるとM判定がつきます。

このM判定を受けた方が利用するのが、医療型デイケアです。
全国で1300〜1500か所程度しか存在しておらず、多くは大規模病院や精神科病院に併設されています。

「見た目」は元気。でも実はM判定
私が最近訪問した認知症デイケアでは、利用者全員がM判定を受けていました。しかし驚いたのは、その方々が皆、歩行可能で、パッと見ではごく普通の元気な高齢者に見えたことです。
これは、適切な医療(薬物療法)とリハビリ、看護、精神保健福祉士などによる多職種支援によって症状が安定しているからです。裏を返せば、こうした専門的な支援がなければ、在宅生活が破綻していた可能性もあります。

在宅生活を支えるもう一つの道
「M判定だからもう在宅は無理」と思われがちですが、実際は違います。
この認知症デイケアがあるおかげで、重度のBPSDを抱える方でも、在宅生活を継続することができているのです。これは、まさに田村武晴さんが目指す「おうちで最期まで」の実践形ではないでしょうか。

なぜこのサービスが知られていないのか?
介護関係者でさえ、この「M判定」や「認知症高齢者の生活自立度」の存在を知らないことが多いのが現実です。
特に介護保険の等級だけでサービスを判断してしまうと、医療的な視点が抜け落ちてしまいます。
主治医の意見書には、診断名とともに生活自立度がA・B・Mなどで記載されており、この情報を読み取ることがケアの質を高める鍵となります。

医療と介護の“目線”の違い
私が印象的だったのは、医師と介護経営者が「同じ言葉を使っていても見ている視点が違う」という点です。
医師は診断と薬物療法を中心に考えます。一方、介護職は生活支援や環境調整を重視します。
この両者の連携こそが、認知症の方にとって最も効果的な支援となります。

海外への展開と連携の可能性
この認知症デイケアの仕組みは、まだ日本国内でも一般的とは言えません。ましてや中国や東南アジアでは、制度としても医療連携としても確立されていないのが現状です。
しかし、若手の精神科医が個人の志でこうしたモデルを立ち上げている事例もあります。
私はその医師に、ぜひ今後、海外での研修や講演を通して、日本の認知症医療の可能性を伝えてほしいとお願いしてきました。

これから、ここから
私たちが目指す「尊厳ある認知症ケア」は、単に制度を語るだけではなく、「人を支える仕組み」と「支える人の連携」によって実現されます。
医療と介護が互いの役割を理解し、支え合うことで、在宅生活の継続、QOLの向上が実現できます。

認知症デイケアは、その一つの形であり、まだ知られていない大きな力を持つサービスです。
これからも、その仕組みと可能性を丁寧に掘り下げ、地域と世界に伝えていきたいと思います。


↓↓↓詳細はPodcastから「ながら聴取」をしてください。

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