MENU

【尊厳Well-Kaigo】信頼関係を築く介護〜内部告発の真実とは?

【多言語ブログ/末尾に中国語、タイ語、英語の翻訳文を挿入しております】
【多语言博客/文末附有中文、泰文和英文翻译内容】
【บล็อกหลายภาษา/มีคำแปลภาษาจีน ภาษาไทย และภาษาอังกฤษอยู่ท้ายบทความ】
【Multilingual Blog / Translations in Chinese, Thai, and English are included at the end of the article】

朝のウォーキングラジオから
おはようございます。今日も隅田川沿いを歩きながら、ウエルエイジング・ラジオをお届けしています。

今回のテーマは少し辛辣的な言葉を使っていますが、現場では避けて通れない問題――「信頼関係を築く介護と、内部告発の真実」についてお話しします。

実地指導と監査の違い


まず初めに、介護事業所が受ける「実地指導」と「監査」の違いをご存知でしょうか。
実地指導とは、行政による指導・助言であり、いわば“介護経営のコンサルティング”のようなものです。介護保険法や関連法令に基づき、適正な運営がされているかを確認し、改善点をアドバイスしてくれるものです。

一方、監査は「不正があるかもしれない」という疑念に基づいて実施されます。実地指導と違い、監査の目的は“確認”ではなく“追及”。この違いは対応の仕方にも大きく影響します。

記録とは「説明のため」にある
介護事業所は、介護保険制度に基づき5年間の指定を受けています。この期間中、記録の保存が義務づけられています。実地指導では主に直近2年間の記録が確認されますが、法律上は5年間分の記録を、必要なときにすぐ提示できなければなりません。

大切なのは、「なぜその記録を残しているのか?」を明確にすること。単に残すことが目的ではなく、「説明責任を果たす」ために記録を取っておくのです。

監査のきっかけは主に3つ
監査が入る背景には、次の3つのケースが多く見られます。

内部告発:職員が行政に対して不正を訴える

同業者からの情報提供他事業所の不自然な運営に気づいた同業者が行政に伝える

利用者や家族からの相談・苦情

このうち、私が最も多く経験してきたのが「内部告発」です。現場で働く職員が、自らの事業所の運営に疑念を持ち、行政に告発するケースです。

なぜ内部告発は起きるのか?
内部告発が起きる原因は、法律を無視した運営指示や、記録軽視の文化が蔓延していることにあります。たとえば、「記録なんて3日に1回でいいよ」「スマホに保存しておけばいいから」といった、明らかに不適切な指示が上司から出されると、まじめな職員ほど危機感を抱きます。

そうした問題を事業所内で相談できる場がなければ、職員は最終的に行政へと訴えることになります。つまり、信頼関係が欠如した組織では、内部告発のリスクが高まるのです。

外国人職員にこそ配慮を
近年、外国人職員が増えてきた介護の現場では、さらに注意が必要です。
言葉の壁や文化の違いによって、彼らが不安や疑問を相談できる相手がいない、というケースも多く見られます。先輩の外国人スタッフに相談しても対応できなければ、問題は深刻化し、最終的には交番や第三者に相談することさえあります。

こうした事態を防ぐには、日頃から多様な声を受け止める「対話の仕組み」が必要です。

ソーシャルメディアが“告発窓口”に?
最近ではX(旧Twitter)などのSNSに、不平や不満が匿名で投稿されるケースが増えています。
行政がそれらすべてに敏感に反応するわけではありませんが、拡散された投稿が行政の目に触れることで、監査へと発展する可能性もあります。

「不安・不満・不信」を受け止める場がなければ、告発はSNSや行政に向かうしかない――。
このことを、現場の管理者は真摯に受け止める必要があります。

信頼関係のある組織づくりとは?
内部告発を防ぐためには、日常的に「声を聞く仕組み」を整えることが重要です。
たとえば、定期的なワンオンワン面談、職員アンケート、意見箱の設置などがあります。
また、職員だけでなく、利用者の声も定期的に集め、改善に活かす姿勢が求められます。

苦情が寄せられてから慌てて対応するのではなく、苦情が出る前に拾い上げる体制づくりが信頼構築の鍵となります。

記録整備は日々の業務の中で
「監査が入るかもしれないから」と言って、あわてて書類を整えるようでは本末転倒です。
日常の業務の中に、あらかじめ監査項目を取り入れた記録整備を行っていれば、急な監査にも動じずに対応できます。

私の経験では、9割の監査項目は予測可能です。だからこそ、「この記録はAさんの机、このデータはBさんのパソコン」とバラバラに管理するのではなく、一元的に管理しておくことが大切です。

専門家の助言を受けながら改善へ
監査が入る前や監査中に求められるのは、「すでに改善に着手している」という証拠です。
そのためには、第三者の専門家や経験者の助言を受けて改善に取り組んでいることを、レポートや記録で示すことが効果的です。

単なる「頑張ります」という決意表明では、行政は納得しません。信頼される改善活動とは、実行され、記録され、評価されている取り組みなのです。

これから、ここから──介護経営者としての覚悟
介護サービスの運営には、知識と覚悟が必要です。
実地指導や監査の指摘を受けてからではなく、常に“見られている”前提で運営することが基本です。

もし営業停止や指定取消になれば、その情報は公表され、同じ地域で再出発することは困難になります。

だからこそ、信頼を築く介護経営、職員を守る仕組みづくり、利用者との関係づくりを、今この瞬間から始めることが求められているのです。

↓↓↓詳細はPodcastから「ながら聴取」をしてください。

Let's share this post !

Author of this article

Comments

To comment

Please Login to Comment.

TOC