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【尊厳Well-Kaigo】認知症を理解する第一歩「中核症状」

〜中核症状から見えてくる“その人らしさ”〜

朝のウォーキングから生まれる気づき
おはようございます、利久です。
今朝も隅田川のほとりを歩きながら、頭の中を整理していました。
来週、中国浙江省杭州での「介護認知症介護講座」を控えていることもあり、今日はあらためて「認知症の中核症状」について考えを巡らせてみました。

認知症の理解は2つに分けるとわかりやすい
認知症を理解するとき、私は常に「中核症状」と「BPSD(行動・心理症状)」に分けて捉えるようにしています。
これにより、状態の整理がしやすく、チームでの情報共有や対策の立案もスムーズになります。

具体的な症状から考える「困りごと」
介護現場では、「帰宅願望」や「叫ぶ」「落ち着かない」といった現象がよく見られます。
これらはすべて、背景にある「中核症状」を理解することで、より本質的な対応が可能になります。

中核症状とは何か?


中核症状とは、脳の器質的な障害(機能低下など)によって引き起こされる、記憶障害や見当識障害などのことを指します。
認知症にはアルツハイマー型、脳血管性、レビー小体型、前頭側頭型・ピック病、発達障害系など複数の種類があり、それぞれに特徴がありますが、共通してこの「中核症状」が見られます。

記憶障害:特に短期記憶の障害が顕著
短期記憶の保持が難しくなり、「今日何をしたか」「食事をしたか」などを忘れてしまいます。
しかし、長期記憶(昔の思い出や体験)は比較的よく保たれているケースが多く、ここに介護のヒントがあります。

見当識障害:時間・場所・人物の混乱
たとえば、「ここが自宅だと認識できない」「季節や時間がわからない」「身近な人を認識できない」といった状態です。
「あなたは誰?」と子どもに聞いてしまうこともあれば、私を“先生”や“社長”と呼ぶような場面もありました。

短期記憶の“揺らぎ”に目を向ける
短期記憶は、時間帯や環境、接し方によって変動します。
朝と夜、晴れの日と雨の日、家族が来た日など、その日の“状態”によって記憶の出方が変わるのです。

これを観察し、どのような条件で混乱が起きやすいかを知ることで、BPSD(周辺症状)への対処がしやすくなります。

長期記憶を活かしたアプローチ


短期記憶に依存しないケアのひとつが、「長期記憶へのアプローチ」です。
その人がどんな人生を送ってきたのか、どんな家庭で育ち、どんな名前で呼ばれてきたのかを知ることで、深い共感的理解が生まれます。

写真や昔の道具、家族からのエピソードなどを通じて、その人の“物語”に触れることが、尊厳ある関係性の第一歩になります。

見当識障害への気づきと接し方
「今がいつで、ここがどこか」がわからないという状態は、非常に不安を伴います。
ですから、接する際には、目線・声のトーン・言葉遣い・照明・気配といった環境づくりも重要になります。

家族の訪問頻度や関係性、食事や睡眠の質といった日常要素もまた、見当識に影響を与えることを忘れてはなりません。

“困りごと”を整理するヒントは中核症状にある
介護現場で「なぜかうまくいかない」「どう関わったらいいか分からない」と悩んだとき、まず立ち返るべきは中核症状の理解です。
記憶や見当識の状態がどうなっているかを確認することで、その人に合ったアプローチが見えてきます。

その人らしさを取り戻す介護へ
「尊厳介護」とは、その人らしさを科学的かつ実践的に支えることです。
医療的な診断名や服薬情報とともに、その人の人生歴や記憶に触れることが、介護の“技術”を超えた人間的な営みになります。

これからも、現場の声と実践を積み重ねながら、記憶から紐解く尊厳介護を広めていきたいと思います。

今週は中国での講座に向かいますので、またそのレポートもお届けします。どうぞお楽しみに!

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中国認知症実践講座のご案内
中日高齢者認知症ケア技術 高度研修コース

【研修スケジュール】

受付日時:2025年7月11日
場所:浙江中医薬大学 濱文校区 図書館報告ホール
研修日時:2025年7月12日〜13日

↓↓↓詳細はPodcastから「ながら聴取」をしてください。

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