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【Well-Kaigo】日本語と介護福祉士から考える介護

【末尾に中国語、タイ語、英語の翻訳文を挿入しております】
文末附有中文、泰文和英文翻译
ส่วนท้ายมีการแปลเป็นภาษาจีน ภาษาไทย และภาษาอังกฤษ
Translations in Chinese, Thai, and English are provided at the end.

【Well-Kaigo】日本語と介護福祉士から考える介護のこれから
ウエル・エイジング・タイライブから見えた課題
今回は、ウエル・エイジング・アワーのライブで取り上げた「日本語と介護福祉士から考える介護」について、ご紹介したいと思います。

先日、月2回の定例配信「ウエル・エイジング・タイライブ」で、特定技能で日本に来て働いているベルさん、そしてタイからオンライン参加してくれたポンチャイさんと共に、外国人介護士のリアルな声を共有する機会がありました。

日本語という見えない「壁」
ベルさんは日本で働き始めて約2年。実務者研修も終え、これから介護福祉士の国家試験に挑戦するタイミングです。ポジティブに仕事に取り組んでいる一方で、在留資格の更新や、将来的な永住権取得といった人生設計に関する悩みを抱えています。

特に大きな壁となっているのが「日本語」です。N2レベルの実力を持ちながらも、介護福祉士の試験に出る微妙な表現や設問の意図が読み取れないといった課題があります。これは、単に日本語が「話せる」だけでは乗り越えられない、深い読解力と解釈力が求められる部分です。

介護福祉士という資格の本質とは


介護福祉士の定義は、1987年に制定された「社会福祉士及び介護福祉士法」の第30条に示されています。

「身体上または精神上の障害があることにより日常生活に支障がある者に対し、心身の状況に応じた介護を行い、その者およびその家族に対して介護に関する指導を行うこと」

この法律に基づき、介護福祉士は単なる技術職ではなく、「その人の状況を読み取り、家族にも指導できる力」を問われる専門職なのです。つまり、日本語が堪能であることはもちろん、その言語を通して心を読み解き、適切に伝える力が求められているのです。

試験制度の変化と制度的な壁
現在、介護福祉士試験の仕組みも見直されつつあり、3つの区分に分けた段階的合格制度の導入が検討されています。しかし、それでも外国人にとって日本語による国家試験は依然として高い壁です。

外国人介護士の合格率は約30%。逆にいえば、70%近くの人が試験に通らず、5年の在留期間を終えて帰国することになります。この現実は、介護施設側の人材投資の回収という観点からも課題となっています。

伝える力と育てる現場の必要性
ベルさん自身も、日本に来る前に十分な情報が得られず、戸惑った経験があります。今ではFacebook上で3万人以上が参加する情報提供グループを運営し、後輩たちに正しい知識を届ける立場になりました。

それでも現場では、外国人職員がケアプラン会議やユニットミーティングに十分に関われていないという課題があります。実務の中で日本語力を伸ばす機会が少ないまま、個別ケアに追われ、より高度なコミュニケーションの場に入れないという状況が続いています。

日本の介護を海外へ伝える難しさ


一方で、私たちが日本の介護を海外へ伝えるときにも「言葉の壁」が存在します。AI翻訳が普及しても、「尊厳を守る介護」というコンセプトがきちんと伝わっているのか──その本質をどう届けるかという課題は、常に残ります。

制度の行方と選択肢の拡充
特定技能で来日した外国人が、必ず介護福祉士を取得しなければならないのか? もっと柔軟な選択肢があってもよいのではないか、という声もあります。たとえば、特別養護老人ホームでは「6人に1人の介護福祉士配置」で大きな加算が認められています。

制度の厳格化だけでなく、多様なキャリアパスや支援策が必要です。介護福祉士はゴールではなく、ひとつの通過点であり、その先にある「尊厳あるケアの実現」が本当の目的だからです。

これから、ここから──ともに考える時代へ
外国人の方々が日本で長く働き、貢献し、そして日本の介護を世界に伝えていく。私たちもまた、自らの言葉で日本の介護を伝えられるよう努力しなければなりません。

介護の現場で生まれる言葉や思い。それを共有し、育て、伝えていく場づくりこそが、これからのWell-Kaigoの役割であり、日本の介護の未来をつくる鍵になるのではないでしょうか。

↓↓↓詳細はPodcastから「ながら聴取」をしてください。

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