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【尊厳Well-Kaigo】参院選の振り返り〜語られなかった介護政策と日本の未来

【多言語ブログ/末尾に中国語、タイ語、英語の翻訳文を挿入しております】
【多语言博客/文末附有中文、泰文和英文翻译内容】
【บล็อกหลายภาษา/มีคำแปลภาษาจีน ภาษาไทย และภาษาอังกฤษอยู่ท้ายบทความ】
【Multilingual Blog / Translations in Chinese, Thai, and English are included at the end of the article】


~選挙の外側から、高齢社会の行方を見つめる~

介護が語られない選挙
今回のテーマは「語られない介護、選挙の外側から未来を描く」です。7月20日が投票日だった参議院選挙を見ながら、私はある違和感を覚えました。それは、介護という社会の根幹に関わるテーマが、ほとんど語られていなかったことです。

もちろん、すべての政党が無関心だったわけではありません。ただ、私たち現場で介護に携わる者が日々感じている課題と、選挙の中で掲げられた政策との間は、極めて関係性が乏しかったように感じました。

介護保険制度の成立と政治の関係
振り返れば、2000年前後、介護保険制度が創設された当時は、政権交代も絡んだ大きな政治の転換期でした。政局が変わるとき、国の制度も大きく動くのです。
現場の声よりも、どの政党が政権を取るかが、制度設計に影響を与える——当時の厚生労働省の担当者がそう語っていたことが、今も印象に残っています。

そして25年が経ち、介護保険制度は「当たり前」のものとして定着しました。制度そのものは安定していますが、その中身や周辺の課題は大きく変化しています。
しかし、そうした「変化」に、政治は追いついていないように見えるのです。

新しい風と語られぬ日本の未来


今回の選挙では、新しい政治勢力が注目を集めました。既存の仕組みではうまくいかない——経済も、教育も、そして介護も。そう感じる人々が、新しい選択肢に目を向けたのだと思います。

ただしその中でも、「介護」を正面から取り上げた政党はごくわずかでした。人口減少、少子高齢化、外国人介護人材の受け入れ、介護ロボットの導入——これらは社会の根幹に関わる重大テーマです。しかし、それが政治の主軸に乗ることはありませんでした。

高齢化と外国人介護人材の現実
日本ではすでに30%に迫る高齢化率。一方で介護の担い手は不足し、今後は69万人が不足すると言われています。その穴を埋めるため、外国人の受け入れ政策が進められ、技能実習や特定技能、留学生ルートで多くの人が日本に来ています。

しかし、ここには大きな壁があります。言語の壁です。介護福祉士の試験は日本語で行われ、理解が難しい専門用語も多い。受験制度の見直し、あるいは試験の多言語化が求められているのは間違いありません。

テクノロジーと介護のこれから
また、国はAIや介護ロボットの導入を推進しています。業務生産性向上を目指し、補助金や助成金を活用して現場にロボットを導入する流れが加速しています。しかし、人材不足とAIの活用がセットで語られることはあっても、その現場における本質的な価値や課題への視点が弱いように感じます。

特に重要なのは、その技術をどう使いこなすか、誰が説明し、誰が学ぶのかという「伝える力」と「受け取る力」。ここにも、翻訳・通訳・教育という支援の仕組みが欠かせません。

CCRC構想と地域包括ケアの現実
中国などからの視察でも関心が高いのが、「CCRC(Continuing Care Retirement Community)」構想です。日本では地方創生の一環として試みられましたが、思うようには広がりませんでした。その代わりに生まれたのが、「地域包括ケアシステム」です。

在宅・訪問・小規模多機能といったサービスを、地域単位で一体的に提供する仕組み。それが日本の現実的な解になっていったのです。

選挙の外側から見る未来戦略
今回の選挙で、介護は主たるテーマにはなりませんでした。しかし、それでも私は介護の現場から、「未来」を描く視点を大切にしたいと思います。日本の介護は、すでに国境を越えて影響を与えています。中国、マレーシア、タイ、その他のアジア諸国から、多くの若者たちが日本に学びに来ています。

彼らは学び、働き、そして自国に戻って、そこで新しい高齢社会をつくっていく。その循環の中に、日本の介護の未来もあると信じています。

これから、ここから
選挙の結果は、あくまでひとつのきっかけです。真に社会を変えるのは、現場の声であり、小さな実践の積み重ねです。

私はこれからも、介護という現場から、そして日本と世界をつなぐ視点から、「未来の介護」を考えていきたいと思っています。高齢社会を生きる私たちが、自分らしく、尊厳をもって暮らし続けられる社会を目指してまいります。

↓↓↓詳細はPodcastから「ながら聴取」をしてください。

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