MENU

【介護経営】事業計画で決まる

【末尾に中国語、タイ語、英語の翻訳文を挿入しております】
文末附有中文、泰文和英文翻译
ส่วนท้ายมีการแปลเป็นภาษาจีน ภาษาไทย และภาษาอังกฤษ
Translations in Chinese, Thai, and English are provided at the end.

【介護経営】事業計画でサービスの未来が決まる
今日は、「介護経営は事業計画で決まる」というテーマです。

3月末、介護施設では来年度の事業計画と予算の策定が行われています。
特に社会福祉法人などでは、3月中に次年度の計画を立て、4月からの運営を予算に基づいてスタートさせるという重要な時期です。

「経営や予算なんて、私には関係ない」と思われる方も多いかもしれません。
しかし、実はこの事業計画が、地域で暮らす高齢者やそのご家族、そして介護職員自身の生活を支える大きな土台となっているのです。

表面の黒字の裏にある「実質赤字」
先日、ある特別養護老人ホームの事業計画をみせていただきました。
予算書上では黒字になっていましたが、詳細を見ると、実は他の事業からの経理区分間繰入収入によって黒字に見せている状態。単体の事業としては赤字だったのです。

このような「実質赤字」の状態で新年度を迎える介護施設があったとしたら、果たしてどう評価すべきでしょうか。
もちろん経営の現場にはさまざまな事情がありますが、地域の高齢者福祉を担う施設の健全経営は、私たちの生活に直結しています。

稼働率と要介護度がカギを握る
施設経営において、重要な指標の一つが「稼働率」です。
定員100人の特養で、年間平均稼働率が90%だとしたら、常に10人分の部屋が空いていることになります。その一方で、地域には入所待機者があふれている現状がある。これは明らかに資源のミスマッチです。

もう一つの重要な指標は「平均要介護度」です。たとえば、平均要介護度が3.8の施設と4.2の施設では、介護報酬の総額が年間で1000万円ほど変わります。建物も職員の配置も同じでも、要介護度が高い人を受け入れるだけで収入が大きく異なるのです。

加算報酬=オプションサービスの重要性
介護報酬には、基本報酬に加えて「加算」というオプション的な報酬があります。
これはまるで旅行で基本の飛行機とホテルに加え、ステーキディナーを追加するようなものです。オプションを多く提供できる施設ほど、収入が増える仕組みです。

この加算を取得するためには、人的配置や技術、仕組みが求められます。
「負担が増えるから加算は取らない」という施設もありますが、国の制度はそのような施設に対して報酬を上げる構造にはなっていません。

経費の見直しと投資のバランス
次にみていきたいのは「経費」です。
人件費、食材費、オムツ代などの直接経費に加え、光熱水費や事務費などの間接経費も含まれます。全国平均では、総収入に対して25〜28%が経費として使われていると言われています。

ある施設では、この比率が33%にもなっており、5%の差が無駄なのか必要経費なのかが問われます。
この5%、仮に経費削減できれば、2000万〜3000万円の資金が浮く可能性もあるのです。

教育費は未来への投資
浮いた資金をどこに使うのか。それはやはり「教育費」ではないでしょうか。
特に外国人介護人材が増えている現在、言葉や文化に不慣れなスタッフの教育は急務です。たとえば500万円の余剰が生まれたら、そのうち100万円を研修費に回す。これだけで、施設全体のサービス品質が一段階アップする可能性があります。

AI教材の導入、動画研修、評価システムの構築なども含めた教育への投資は、単なる経費ではなく「未来を創る投資」なのです。

計画があるから説明できる、説明できるから理解が得られる
「笑顔で働けば給料が上がる」
そんな仕組みがあれば職員のモチベーションは確実に上がります。でも、それを実現するには事業計画という“見える化された方程式”が必要です。

計画を作らなければ、何をどう頑張れば報われるのかが見えません。事業計画は、経営のためだけではなく、サービスを生み出し、支える人々にとっての道しるべでもあります。

これから、ここから


介護施設の事業計画は、単なる数字の羅列ではありません。
それは地域の高齢者の暮らしを守り、職員の未来をつくるための大切な設計図です。
「赤字でも仕方ない」「計画は経営者の仕事」と片づけてしまうのではなく、私たち一人ひとりがその意味を理解し、自分ごととして関心を持つことが、ウエル・エイジング社会の実現につながるのではないでしょうか。

今日もよい一日をお過ごしください。

↓↓↓この記事の詳細はPodcastから「ながら聴取」をしてください。

Let's share this post !

Author of this article

Comments

To comment

Please Login to Comment.

TOC