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【尊厳Well-Kaigo】「問題を作る力」が未来を変える

Well Aging Center〈WellAgingHour〉【末尾に英語、中国語、タイ語の翻訳文を挿入しております】
文末附有中文、泰文和英文翻译
ส่วนท้ายมีการแปลเป็นภาษาจีน ภาษาไทย และภาษาอังกฤษ
Translations in Chinese, Thai, and English are provided at the end.


〜解決より“問い”からはじまる介護の姿勢〜

雨の日の朝に思うこと
みなさん、おはようございます。今回の「ウエル・エイジング・アワー」は、インドアからおうちデイ新聞の田村武晴さんと一緒に対談方式でお送ります。

今日は「問題を作る力」という、少し変わったテーマでお届けします。

ちょっと肌寒い雨の朝です。
日常のリズムが崩れるこんな日は、ふと立ち止まって考えるにはぴったりです。

なぜ「問題を作る力」なのか?


介護の現場では「問題を解決する力」が大事にされがちです。
しかし、本当に必要なのは「問題を作る力」、つまり“問いを立てる力”なのではないか、と私は思うようになりました。

たとえば、「人手不足です。解決してください」と言われた時、私たちは“解決策”ばかり探してしまいます。でも、そもそも「なぜ人手が足りないのか?」という問いがなければ、持続可能な解決には至りません。

ライブ対話が生む“問い”
最近では、外国人介護士のベルさんとのライブ配信が、私にとって大きな気づきの場になっています。日本の介護を伝える中で、「伝えるべきこと」は何か?という問いが浮かび上がってくるのです。

「日本式」とは何か?
——と聞かれたとき、私は戸惑いました。私がやってきたことは「尊厳ある介護」です。でも、それは“結果として”日本式と呼ばれているだけで、体系的に説明できるかと問われると、自信を持てません。

中国で感じた「問いを作る重要性」
中国の介護関係者と対話をしていると、「答えをください」というリクエストがよくあります。しかし、私が一番感じているのは、「まず問いを作ってほしい」ということです。

たとえば、
「なぜ経管栄養をするのか?」
「なぜミトンを使うのか?」。

こうした問いに対して、日本は長い議論と試行錯誤の末に「尊厳」という概念にたどり着きました。
こうした歴史と経験を伝えるには、相手がまず「なぜ?」と問わなければ意味がありません。

問題がなければ教育もつくれない
私は介護教育のカリキュラムを作る際にも、必ず最初に“問題”を立てます。
問題が明確でなければ、教育は的を射ません。
逆に、問題がはっきりすれば、その背景や目的、必要な知識が整理され、教材として形になっていくのです。

そして、その教材が仕組みとなり、ビジネスにも発展していきます。ですから、「問題を作る力」は介護現場だけでなく、教育や経営にも直結する大事な力なのです。

ベルさんの違和感が教えてくれたこと
タイ人であるベルさんの日本語の言葉遣いに、私が少し違和感を覚えた時、それは一つの“問題”として受け止めました。
彼女は日本語として意味は通じているけれど、「なんだか不安です」と言いました。

そうした微妙なニュアンスの違いこそ、外国人が介護福祉士試験に挑む際の大きな壁になります。尊厳を伝える教育の中で、語尾や接続詞の使い方まで含めてサポートする必要があると気づいたのです。

解決の前に“問い”を
人手不足、教育の質、外国人介護士の不安。どれも“問題”として表面化していますが、そこには共通する“問い”が存在します。

なぜ人が足りないのか?
なぜ伝わらないのか?
なぜ学びにくいのか?

その問いを一緒に考え、答えを共に模索することが、本当の「尊厳Well-Kaigo」だと思っています。

「問題を問題とする力」が未来をつくる
多くの専門家が口を揃えて言うのは、「問題を問題として受けとめる力がなければ、何も始まらない」ということです。
「仕方ない」「どうしようもない」と片づけず、それを“問い”として受け止めることが、新しい制度や社会を生む原点になります。

私は今、中国をはじめとするアジア各国に向けて、日本の介護の“問い”を届けたいと思っています。
それが、単なるノウハウではなく、「一緒に考え、変えていく」きっかけになると信じて。

これから、ここから:問いが、つながりを生む
このブログを読んでくださった皆さんも、ぜひ一度、ご自身の介護現場や日常に目を向けてみてください。
「これは本当に当たり前なのか?」
「もっといい方法はないのか?」
と、問いを立てるところから始めてみませんか?

問題を作る力。それは、誰かを責めることではなく、より良い未来を目指すための第一歩です。

問いがあるから、人とつながり、社会が変わる。私はそう信じています。

↓↓↓詳細はPodcastから「ながら聴取」をしてください。

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