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【Well Aging】食事とおばあちゃん仮説

【末尾に中国語、タイ語、英語の翻訳文を挿入しております】
文末附有中文、泰文和英文翻译
ส่วนท้ายมีการแปลเป็นภาษาจีน ภาษาไทย และภาษาอังกฤษ
Translations in Chinese, Thai, and English are provided at the end.

子ども、高齢者、社会をつなぐ新たな視点

本日は、「食事とおばあちゃん仮説」というテーマでお届けします。

おばあちゃん仮説(Grandmother Hypothesis)とは?
「おばあちゃん仮説」という言葉をご存知でしょうか。
これは生命科学の分野で提唱されている仮説のひとつで、人類において祖母が子や孫の食事や成長を支えることで、子孫の生存率を高め、結果的に人類の繁栄に貢献してきた、という考え方です。

【おばあちゃん仮説】
(提唱者)生物人類学者クリスティン・ホークス(Kristen Hawkes)らが1990年代に提唱多くの動物は出産を終えると寿命を迎えますが、人間だけは出産後も長く生き、子や孫の世代を支え続ける特徴を持っています。この不思議な現象を説明するために生まれたのが「おばあちゃん仮説」なのです

料理研究家との対話から
昨日、九州の料理研究家の方と情報交換をする機会をいただきました。
この方は、子ども食堂や保育園での食事提供に関わり、有機栽培など体に優しい食材を使った料理を研究・提案されています。
まだ具体的な介護・高齢者ビジネスの展開は考えていないとのことでしたが、社会の変化を敏感に捉え、子どもたちの未来を見据えた活動を続けていらっしゃいます。

こうした方々とお話しするたびに、高齢社会と介護をテーマに、さまざまなジャンルが再構築されている現状を強く感じます。

食事、睡眠、そして介護
話題は自然と、子どもたちの健康や睡眠、高齢者の介護へと広がりました。
保育園ではお昼寝の時間が当たり前に組み込まれていますが、地方のデイサービスでも「お昼寝タイム」が設けられていることをご存知でしょうか。
都市部ではあまり見られませんが、地方では照明を落とし、利用者が昼寝をする時間を設け、その間に職員も休憩を取る光景が見られます。

ここで一つ疑問が生まれます。
この「お昼寝タイム」は、介護報酬の対象となるサービス提供時間なのか?
制度上の解釈は難しいところですが、もし「睡眠」が介護支援の一環であり、利用者の健康維持に貢献するのであれば、十分に価値ある時間だと考えられます。

おばあちゃん仮説の本質
再び「おばあちゃん仮説」に戻ります。
なぜ人間の女性だけが出産後も長く生きるのでしょうか。
それは「子ども、そして孫たちの生存を支えるため」と仮説では説明されています。

女性は出産、育児、経済活動を同時にこなす存在であり、社会の中で子孫を支える重要な役割を担ってきました。
それは血のつながりに限らず、地域社会の子どもたちを見守るという広い視点にもつながります。

もしも自分に子どもがいなくても、地域の子どもたちを支える役割を果たすことができる。
これもまた、広い意味での「おばあちゃん仮説」の実践なのではないでしょうか。

子どもと高齢者をつなぐ
子どもたちの健康課題として、最近は「噛む力が弱まっている」「飲み込み力が低下している」といった報告が増えています。
これは高齢者における嚥下障害(えんげしょうがい)とも深く関連しています。

私が以前見学をした日本歯科大学のリハビリテーションセンターでも、嚥下機能を改善するために通っているのは、高齢者だけでなく多くの子どもたちでした。
生命は世代を超えて、課題もつながっているのだと実感しました。

食事支援と地域モデル
介護現場でも食事支援は大きなテーマです。
高齢者施設では、栄養バランスや飲み込みやすさに配慮した食事が提供されていますが、人手不足のために十分な支援が行き届かないことも少なくありません。

そこで提案したいのが、「地域のおばあちゃん、おじいちゃんたちが、地域の子どもたちや他の高齢者を支える」という地域共生モデルです。
おばあちゃん仮説をヒントに、家庭でも施設でも、食事を通じた支え合いを再構築できるのではないでしょうか。

おじいちゃん仮説も考えよう
ちなみに、「おじいちゃん仮説」も私なりに提案したいと思います。
おじいちゃんには、子どもたちが社会に出てからの「社会人教育」や「人生のサポート」を担う役割があるのではないでしょうか。

子どもたちが巣立ったあと、仕事や人生の壁に直面する時に支える存在。
それがおじいちゃんの新たな役割なのだと私は考えています。

これから、ここから
「おばあちゃん仮説」は単なる科学的な仮説にとどまらず、私たちがこれからの高齢社会をどう支え合うかを考えるヒントになります。
子ども、高齢者、そして地域社会がもう一度つながりなおすために、食事、睡眠、介護といった日常の中に、小さな役割を積み重ねていきたいですね。

今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
どうぞ良い一日をお過ごしください!

↓↓↓詳細はPodcastから「ながら聴取」をしてください。

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