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【Well-Kaigo】 異人とともに育つ超高齢社会

【末尾に中国語、タイ語、英語の翻訳文を挿入しております】
文末附有中文、泰文和英文翻译
ส่วนท้ายมีการแปลเป็นภาษาจีน ภาษาไทย และภาษาอังกฤษ
Translations in Chinese, Thai, and English are provided at the end.

異文化とともに育てる、これからの超高齢社会 〜異人という視点から考える介護の未来〜

桜が満開の季節になりました。私の住んでいる隅田川沿いでも、春の光を浴びて心が明るくなるような日々が続いています。そんな春の訪れのなかで、今回は「Well-Kaigo 」と「異人とともに育つ超高齢社会」というテーマでお話をしたいと思います。

昨日、「おうちで新聞」の田村武晴さんとお話をした中で
田村さんのお父様が暮らしている老人ホームでのスリランカ出身の介護スタッフとの関係についてお伺いする機会がありました。私自身、外国人介護人材の受け入れに関わっている立場でもあるので、そのエピソードは大変印象的でした。

老人ホームという場所が、ご本人にとって「帰りたい」という気持ちを和らげ、体調まで回復させる力を持っていた。
その背景には、日本人だけでなく、外国人スタッフとの協働によるケアの力があると感じました。
現在、介護現場では外国人スタッフの割合が1〜2割に近づいてきています。単なる人手不足を補うというフェーズから、共に新しい価値を生み出す第2ステージへと入っているのです。

外国人介護人材という言葉がありますが
私はそこに「異人」というもう一つの意味を重ねたいと考えています。
異なる文化、言語、価値観を持つ人々が、日本という社会の中で、同じように高齢者を支える存在となっていること。
それを単なる「外から来た人」としてではなく、むしろ「異なるからこそ期待できる存在」として受け止めたいのです。

日本は、欧米諸国のような激しい人種差別の歴史が比較的少ない国だと言われています。
だからこそ、アジア諸国からの人々が「安心して暮らせる国」として日本を選び、介護という分野で学び、働くことに価値を感じているのだと思います。


介護は日本の文化を学ぶ上でもっとも密接な仕事の一つです。
そこに2割、3割の外国人が加わることで、日本人とは異なる視点や文化が現場に入り、新たな気づきや交流が生まれてきています。

「異人=異なる文化を持った人々」としての意味も込めています。
日本の歴史を振り返れば、岩倉使節団のように外国に学びに行き、文化や技術を取り入れて日本を発展させてきた「異人」たちの存在があります。
今、逆の立場で、外国の方々が日本に学びに来て、共に高齢社会を支えている。
それは新たな形の国際的な共創です。

私は、外国人介護スタッフを「セカンドファミリー」と考えています。
血のつながりはなくとも、家族が果たせなかった役割を担い、高齢者を支えてくれる存在。
もちろん第一の家族がいなくなるわけではありませんが、役割をシェアしているのです。

重要なのは、こうした関係性を守る法律や制度が日本にはあるということ。
そして、それが新たな異文化共創の障壁とならないような視点の転換が求められているのではないかと思います。

異文化に対応する、ではなく、異文化とともにつくる「異文化共創」。
それは、介護という分野だからこそ実現できる価値のあるチャレンジです。
外国人スタッフが単に「働き手」で終わるのではなく、介護という仕事を通じて自国の文化にフィードバックを持ち帰り、また新たな未来をつくる〜そんな循環がすでに始まっています。

最近では中国からの人材も増えています。
彼らの多くは単なる出稼ぎではなく、自国でも高齢化が進んでいる背景から「介護を学びに来る」という視点を持っています。特定技能や留学を経て、日本で働いた経験をもとに自国の高齢社会に貢献したいという志を持った人たちも少なくありません。

つまり、日本の介護現場は、すでに「学びの場」としてアジア各国とつながり始めているのです。

そしてその延長線上に、「異人とともに育つ超高齢社会」があります。
介護は、高齢者を支えると同時に、自分たちの文化と他者の文化を交差させる尊い場です。
そこには、多様性を認め合い、違いを価値として受け止める寛容さが求められます。

「Well-Aging」とは、「老い」をネガティブに捉えるのではなく、自分らしく生き抜く姿勢のこと。
そして、介護が必要になっても、自分の価値や尊厳を失わない社会を目指すものです。

これからは、1%の革命かもしれませんが、確実に起きている変化を、私たち一人ひとりが受け止め、共に未来を築いていく時代です。
介護を「Well-Kaigo」と置き換えると、私たちのアジアの高齢社会の最前線にあるのです。


↓↓↓詳細はPodcastから「ながら聴取」をしてください。

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