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【介護選び】困っていることは何ですか?〜外国人介護人材の場合

【末尾に中国語、タイ語、英語の翻訳文を挿入しております】
文末附有中文、泰文和英文翻译
ส่วนท้ายมีการแปลเป็นภาษาจีน ภาษาไทย และภาษาอังกฤษ
Translations in Chinese, Thai, and English are provided at the end.

介護選びに悩んでいるあなたへ:何が一番の困りごとですか?
本日は、「介護選びに困っていることは何ですか?」というテーマでお話ししていきます。

タイからの介護人材と日本の現状
昨夜3月18日、ウエル・エイジング・タイライブを開催しました。いつものゲストは、日本の介護施設で働いているタイ出身のベルさん、そして現在バンコクに住むポンチャイさんのお二人。月に2回のペースで、定期的にこうした対話の場を設けています。

このライブでは、タイにおける高齢社会の到来に向けた介護サービスの在り方や課題について意見を交わしました。
また、現在タイ国内で問題となっている大気汚染についても話題に上がりました。
大気汚染による健康被害が深刻化し、喘息や気管支炎を患う人が増えているとのこと。
これは日本の介護とは異なる視点での社会問題ですが、健康被害の影響を受ける高齢者が増えることで、介護のニーズも変化していくのではないかと考えさせられました。

外国人介護人材の現場での困りごと


さて、日本の介護業界では現在、多くの外国人介護人材が活躍しています。
特に東南アジアの若い世代の方々が、仕事を求めて日本の介護施設へやってくるケースが増えています。
しかし、彼らが現場で働く中で直面する課題も少なくありません。

ベルさんは、特定技能の資格を取得し、日本で介護職に従事して2年目。今後、介護福祉士の資格取得を目指し、実務経験3年を経て国家試験に挑戦する予定です。
しかし、その過程でさまざまな困難があることを語ってくれました。

彼女が特に困っているのは、「どこで、誰に相談すればいいのかわからない」という点です。

例えば、
介護福祉士の受験資格の整え方がわからない
申込書の書き方が難しい
必要な書類をどこで入手できるのか不明
職場の人に相談しても明確な答えが得られない
このような「わからないことがわからない」状況に直面しているのです。

「わからないことが一番の困りごと」
介護業界に限らず、どの分野でも共通することですが、「何が問題なのかがわからない」状態が最もストレスになるものです。

例えば、日本でも介護保険制度が導入される前の1989年、政府は「10年後に介護保険制度を導入する」と発表しました。
当時、日本社会全体が「介護の仕組み」を理解しておらず、何をどうすればよいのか分からない状況でした。
しかし、少しずつ制度設計が進められ、2000年に介護保険制度が始動しました。

現在の外国人介護人材受け入れの仕組みも、まだ発展途中です。
日本の文化や制度に不慣れな外国人が、介護福祉士を目指す際の道筋が明確になっていないことが課題です。

日本の介護業界はどうサポートすべきか?
外国人介護人材が働きやすい環境を整えるためには、次のようなサポートが求められます。

情報提供の充実
受験資格や必要書類に関する情報を、外国人向けにわかりやすく整理する
日本語レベルに応じた説明資料を用意する
相談窓口の設置

施設内外で外国人介護職員が相談できる専門窓口を設ける
オンラインでのサポート体制を強化する
言語・文化の壁を超える支援

職場での日本語教育プログラムを充実させる
先輩外国人介護職員によるメンタリング制度を導入する
情報格差をなくすために
介護サービスを提供する側だけでなく、利用者やその家族にとっても「介護選び」は大きな課題です。

どの施設を選べばよいのか?
どのサービスが適しているのか?
費用や条件はどうなっているのか?
情報があふれる時代ですが、それがかえって「どれが正しい情報かわからない」という状況を生んでいます。
特に、デジタルツールに不慣れな高齢者にとっては、「情報弱者」になるリスクが高く、適切な情報をどう届けるかが重要な課題です。

例えば、かつて私が特別養護老人ホームの施設長を務めていた際、聴覚障害者のための専用ユニットを設けました。
情報が届かない環境にいる人々に、どうすれば適切に伝えられるのかを考え、手話通訳の導入や視覚的な情報提供を強化しました。同じように、外国人介護職員や高齢者にも、彼らに合った形で情報を提供する工夫が必要です。

介護選びは「不安を解消すること」から始まる
介護を選ぶ際に、最も大きな障壁となるのは「不安」です。
その不安の正体は、「わからないこと」に起因するものが多いのです。

外国人介護人材が働く環境の改善も、日本の高齢者が適切な介護サービスを選べるようにすることも、本質的には同じ課題です。「わからないことをなくす」ことで、不安を減らし、より良い選択ができるようになるのではないでしょうか。

私たちは、こうした課題に向き合いながら、外国人介護人材の支援を進めるとともに、介護を必要とする方々へ適切な情報を届ける取り組みを続けていきたいと思います。

今日も良い一日をお過ごしください。
共感をいただける方はぜひコメントをお寄せください。

↓↓↓詳細はPodcastから「ながら聴取」をしてください。

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