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【介護選び】人間性を取り戻す高齢社会

(末尾に中国語、タイ語、英語の翻訳文を挿入しております)
文末附有中文、泰文和英文翻译
ส่วนท้ายมีการแปลเป็นภาษาจีน ภาษาไทย และภาษาอังกฤษ
Translations in Chinese, Thai, and English are provided at the end.

今回も「介護選び」について考えていきたいと思います。
特に「人間性を取り戻す高齢社会」というテーマを軸に、介護の本質とは何か、私たちが目指すべき社会のあり方についてお話しします。

最近、介護に関する相談を受ける中で、改めて「介護とは何か」という本質を考えさせられる場面が増えています。
介護事業の赤字や複雑化、家族間の意見の対立など、介護を巡る課題は多岐にわたります。
しかし、それらの課題に向き合うたびに「介護の本質は人間性の回復ではないか」と感じるのです。

高齢社会の歴史と介護の本質
かつて日本には「姥捨て山」という言葉がありました。
これは、年老いた親を山に捨てるという悲しい風習を表した言葉です。類似した話は世界各地にもあり、過去の厳しい環境では、高齢者が生きる場を失うことが多かったのです。
しかし、私たちはもうそんな時代には戻りたくありません。高齢社会を迎えた今こそ、「高齢者を大切にする文化」をどのように継承し、発展させるかを考える必要があります。

たとえば、日本の昔話『桃太郎』では、おじいさんが「山へ柴刈りに」、おばあさんが「川へ洗濯に」行く場面があります。
本来、山での仕事は木を切ることが主でしたが、おじいさんは「柴刈り」に行くのみ。
これは、高齢者が第一線を退きつつも、社会に役割を持ち続けていたことを象徴しているのかもしれません。
つまり、昔から高齢者の役割は変化してきたのです。

高齢者の役割と介護サービスのあり方
現在の日本では、多くの高齢者が独居し、家族と適度な距離を保ちながら暮らしています。「スープが冷めない距離」と言われるような近距離での支え合いが求められています。
介護が必要になったときに、家族だけで抱え込むのではなく、地域のサービスをうまく活用しながら支えていくことが大切です。

介護の目的は、「高齢者の人間らしさを守ること」と「家族の負担を減らすこと」です。
特に、介護を受ける側が「自分らしく生きること」を諦めないことが重要です。そのために、介護保険制度や地域の支援制度をうまく活用し、家族が疲れ果ててしまう前に適切なサポートを受けることが求められます。

科学的介護と人間らしさ


現在、国は「科学的介護」の推進を進めています。
データを活用し、より効果的な介護サービスを提供することが目的です。
しかし、ここで忘れてはならないのは、科学的介護は「人間らしさを守るための手段」であるべきだということです。
医療のためのデータ収集ではなく、利用者が自分らしく生きるためのデータ活用が求められます。

例えば、圧迫骨折をした高齢者の場合、リハビリをどのように進めるか、どのサービスを利用するかはデータをもとに決めることができます。
しかし、その方の生きがいや価値観を無視してしまうと、たとえ身体的に回復しても「生きる力」を失ってしまうこともあるのです。
介護とは単なる身体のサポートではなく、精神的な支えを含めたトータルなケアが必要なのです。

介護選びのポイント
介護を選ぶ際には、次の点を意識すると良いでしょう。

本人の希望を尊重する
 介護を受ける本人が「どう生きたいのか」を確認し、それを尊重することが重要です。

家族の負担を軽減する
 家族が無理をして介護を続けると、共倒れのリスクがあります。適切な支援を受けながら、無理のない形でサポートしましょう。

地域のサービスを活用する
 独居の高齢者が増える中、近距離介護や地域包括ケアシステムの活用がカギとなります。

変化に対応できる柔軟性を持つ
 介護は一度決めたら終わりではなく、状況に応じて見直しが必要です。変化に対応できる体制を整えておきましょう。

後悔しない介護選び
介護は、後になって「あのとき、こうしておけばよかった」と後悔することが多いものです。
しかし、それを最小限に抑えるためには、できるだけ早い段階で情報収集をし、専門家と話し合うことが重要です。

高齢化が進むアジア諸国では、介護サービスが未発達なため、家族の負担が非常に大きい現状があります。
その結果、「我慢する」「諦める」という選択肢を取らざるを得ないことも多いのです。
しかし、日本ではさまざまな介護サービスが整備されています。選択肢があるからこそ、しっかりと情報を得て、後悔のない介護選びをすることが求められます。

これから、ここから
「人間性を取り戻す高齢社会」とは、高齢者が単なる「支えられる存在」ではなく、「自分らしく生きることができる社会」を目指すことです。そのためには、介護を受ける側と提供する側、家族、地域社会が一体となって支え合う仕組みが必要です。

介護を考えるとき、私たちは高齢者に対するリスペクトを忘れずに、彼らが持つ役割や価値を再認識することが重要です。
そして、家族だけで抱え込まず、社会全体で支え合う文化を育てていくことが求められています。

これからの高齢社会、アジア諸国の高齢化も視野に入れて、私たち一人ひとりがどのように関わっていくのかを、今一度考えてみませんか?

このテーマは私が介護の仕事に関わるミッションです。

↓↓↓詳細はPodcastから「ながら聴取」をしてください。

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