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【介護選び】グリーフ(悲嘆)ケアが始まる時

(末尾に中国語、タイ語、英語の翻訳文を挿入しております)
文末附有中文、泰文和英文翻译
ส่วนท้ายมีการแปลเป็นภาษาจีน ภาษาไทย และภาษาอังกฤษ
Translations in Chinese, Thai, and English are provided at the end.

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介護選びとグリーフケアが始まるとき
こんにちは、ウエル・エイジング・アワーをお届けする利久です。
今回のテーマは「介護選びとグリーフケアが始まるとき」についてです。
グリーフケアとは、大切な人を失ったときの悲しみや喪失感を癒すためのケアのことを指します。
語源はラテン語の「グランピア」で、「深い悲しみ」を意味する言葉に由来します。多くの方にとって、グリーフケアという言葉はあまり馴染みがないかもしれませんが、介護や看取りの現場ではとても重要な概念です。

グリーフケアを知ったきっかけ
私が介護の仕事を始めた頃は、グリーフケアという言葉すら知りませんでした。
しかし、看取り介護に関わる中で、このケアの重要性に気づきました。セミナーに参加したり、関連書籍を読んだり、専門家の話を聞いたりする中で、グリーフケアが単なる理論ではなく、介護現場で実践されるべきものだと実感しました。
その後、職員やご家族に対して「死生観教育」や「デスエデュケーション」といった形で勉強会を開き、グリーフケアを取り入れる努力を続けました。

喪失感と向き合う事例
ある女性が母親の看取り介護を終えた後、私たちの施設を訪れたことがありました。
彼女は「母の命を受け継ぐことができました」と話してくれましたが、心にはぽっかりと穴が空いたような感覚が残っていると言います。母が過ごしていたユニットには足を踏み入れることができず、そこに母のいない風景を受け止めることができないと語りました。
このような喪失感は、多くの家族が経験するものです。

その女性に対して私たちができたことは、ただ話を聞くことだけでした。
しかし、話を聞いてもらうことで、彼女は少しずつ気持ちを整理し、次の一歩を踏み出すことができるようになりました。
この「聞くこと」の重要性を改めて感じた経験でした。

介護選びがグリーフケアの出発点
私は、グリーフケアは家族が亡くなった後に始まるものではなく、介護が始まる時点からすでに始まっていると考えています。
どのように親の介護に向き合うか、どのような施設やサービスを選ぶか、その選択が後の喪失感の受け止め方に大きく影響します。
一生懸命に親の介護に向き合った分だけ、喪失感も深くなるかもしれませんが、それは「愛の証」でもあります。

また、親の介護で子どもたちが揉めることがないようにすることも大切です。
親のために争う姿を見せることは、後悔につながる大きな原因です。
家族が仲良く支え合うことで、親も安心して旅立つことができるでしょう。

いのちを引き継ぐということ
グリーフケアの鍵は、亡くなった人の命や思いを引き継ぐことにあります。それは単に遺産や事業を受け継ぐという具体的なことだけではなく、その人の生き方や価値観を未来に繋げていくことです。親が自分を産み、育ててくれたことに感謝し、そのいのちのリレーを自分の生き方に反映させる。
このプロセスが、喪失感を癒し、後悔を少なくするための一つの方法ではないでしょうか。
介護現場だけではなく、精神科医・野田正彰氏の著書『喪の途上にて―大事故遺族の悲哀の研究』を読み、航空機事故で突然家族を失った悲哀も紐解きました。

これから、ここから
グリーフケアは、介護を選ぶ段階から始まっています。
「絶対に後悔しない介護選び」を目指すためにも、親の人生の最期をどう支えるのか、そしてそのいのちをどう受け継ぐのかを真剣に考えることが大切です。
親子の絆を再確認し、愛を持って支え合うことで、悲しみを乗り越え、未来に進む力が生まれるのだと思います。

今日も最後までお読みいただき、
ありがとうございました。次回もお楽しみに!

(参考文献)
野田正彰氏の著書『喪の途上にて―大事故遺族の悲哀の研究』は
1985年8月12日に発生した日本航空123便墜落事故などの大規模災害における遺族の悲哀の過程を詳細に記録・分析した作品です。この書籍は、かけがえのない人の突然の死を遺された人々がどのように受け入れ、新たな人生を歩もうとするのかを深く探求しています。
本書は1992年に岩波書店から単行本として刊行され、その後2014年に岩波現代文庫として再版されました。遺族の声に寄り添い、悲しみの意味を問いかける内容は、グリーフケアや死生観に関心のある方々にとって貴重な資料となっています。
現在、この書籍は主要なオンライン書店や実店舗で購入可能です。例えば、Amazonや楽天ブックス、紀伊國屋書店のウェブサイトなどで取り扱いがあります。在庫状況や価格は各販売サイトでご確認ください。
『喪の途上にて』は、遺族の心理や社会的背景を深く理解するための重要な一冊であり、グリーフケアに携わる方や関心のある方にとって有益な内容となっています。

↓↓↓詳細はPodcastから「ながら聴取」をしてください。

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