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【Well-Kaigo】 制度ではなく感動。

【末尾に中国語、タイ語、英語の翻訳文を挿入しております】
文末附有中文、泰文和英文翻译
ส่วนท้ายมีการแปลเป็นภาษาจีน ภาษาไทย และภาษาอังกฤษ
Translations in Chinese, Thai, and English are provided at the end.

制度ではなく「感動」を──Well-Kaigoという新しい視点
みなさん、こんにちは。今回は「Well-Kaigo(ウェル・カイゴ)」という言葉についてお話したいと思います。「制度ではなく感動」というテーマで、これからの介護のあり方を見直す時期に来ているのではないかというお話です。

今回はウエルエイジング・アワー対談版です。
(対談者)田村武晴/日本ウエルエージング協会理事・おうちデイ新聞発行責任者

この言葉は、「Well-Aging(ウェル・エイジング)」という理念から生まれました。
Well-Agingとは、ただ長生きするのではなく、年を重ねても自分らしく、幸せに生きていくという哲学です。
これは私たちが今、75歳を超える高齢者の方々とどう向き合うかを考える上でとても大切な視点です。

介護が必要になる時期は、人生の終わりではなく、まだまだ続く人生の一部です。
だからこそ「介護が必要にならないように」という予防も大切ですが、「介護が必要になったその先」をどう生きるかを考える必要があるのです。

たとえば、認知症になっても、自分らしさを保ち、周囲とのつながりの中で穏やかに過ごすことができたら、それはまさにWell-Agingの実現と言えるでしょう。

私が「Well-Kaigo」という言葉を使い始めたのは、介護という言葉に対して新しい意味づけが必要だと感じたからです。2000年に介護保険制度が始まってから四半世紀が経ち、介護という言葉が制度的な意味合いに偏ってしまったように思います。

しかし本来、介護とは人と人との関係性、つまり「感動」が生まれる場でもあるはずです。

最近では、段階の世代が後期高齢者となり、介護の現場に多くの変化が起きています。

これまでとは違う価値観を持った人たちが、介護の中心になってきているのです。

昭和・大正の時代の親世代とは異なり、「こうしてほしい」「こうありたい」という意識がより明確で、自分の意思をはっきり伝える人たちが増えています。

これは、介護する側にとっても大きな転換点です。

今までの「やってあげる介護」から、「共に生きる介護」へのシフトが求められていると感じます。

ある日のエピソードをご紹介します。

認知症で施設に入居した田村武晴さんのお父様が、穏やかな笑顔を見せるようになり、家族に「家に帰りたい」と言わなくなったという話です。その背景には、スリランカ出身の介護スタッフの存在がありました。

彼女はお父様の話を丁寧に聞き取り、常に目線を合わせて接してくれていたそうです。

小さな気づかいが積み重なり、お父様は施設を「自分の居場所」と感じられるようになっていったのです。

このエピソードから見えるのは、介護の本質は「制度」ではなく「関係性」にあるということです。

マズローの欲求段階説で言えば、最低限のニーズが満たされたその先にある「承認欲求」や「自己実現」が、介護の現場でも十分に満たされる可能性があるということです。

私たちが目指すべきWell-Kaigoとは、こうした心の交流を大切にしながら、人が変化していく可能性に希望を持つ介護です。介護が必要になるということは、決して「人生の終わり」ではなく、「新しい始まり」なのです。

もちろん、すべての現場でそうした理想を実現するのは簡単ではありません。
けれども、介護を受ける人の表情の変化、言葉の端々にこぼれる感謝の気持ち、そうした「小さな感動」を私たちはもっと受け止めていくべきではないでしょうか。

そして、その感動を「記録」していくこともまた大切です。
入居前と入居後の写真、表情の変化、家族の観察、こうした積み重ねが「人は介護を通じて変われる」という証拠になっていくのです。

今、介護現場には外国人スタッフも多く関わるようになってきました。文化や言葉の壁はあっても、彼らの素直なホスピタリティや観察力が、日本の介護に新しい風を吹き込んでいます。
私たちが教えるだけではなく、外国人スタッフからも学び合う。
そんな双方向の関係こそが、これからのWell-Kaigoの核になるのではないかと思います。

制度を支えるのは人であり、人を支えるのは感動です。
今こそ、「制度ではなく感動」の視点で介護を見つめ直す時が来ているのです。


↓↓↓詳細はPodcastから「ながら聴取」をしてください。

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