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【尊厳Well-Kaigo】介護は生きるを支える

【多言語ブログ/末尾に中国語、タイ語、英語の翻訳文を挿入しております】
【多语言博客/文末附有中文、泰文和英文翻译内容】
【บล็อกหลายภาษา/มีคำแปลภาษาจีน ภาษาไทย และภาษาอังกฤษอยู่ท้ายบทความ】
【Multilingual Blog / Translations in Chinese, Thai, and English are included at the end of the article】

今朝の隅田川は明るい青空が広がり、少し風を感じるものの穏やかな朝でした。そんな散歩の時間から浮かんだ本日のテーマは「尊厳介護──介護は生きるを支える」です。在住のポンチャイさん、日本で特定技能として働くベルさんと対話しました。ベルさんは介護福祉士の試験に挑戦中で、タイにおける介護教育の必が築き上げた教育制度の歩みについて意見を交わしました。

タイと日本の介護教育をつなぐ
これまでポンチャイさんと4度の日本視察を共にし、ディスカッションを重ねてきました。中国のように政策設計や介護ビジネスが表立って進んでいるわけではないものの、タイの高齢化率は中国以上です。だからこそ、タイにおいても介護教育や制度づくりは緊急性の高い課題といえるでしょう。

日本の介護教育には、初任者研修・実務者研修・介護福祉士といった体系的な資格制度があります。一方で、タイでは420時間の介護資格があると聞きますが、その目的や教育内容は異なっています。日本の経験を参考にしつつ、タイ独自の制度設計が求められているのです。

介護は「生活」から「生きる」へ


私はこれまで「生活を支える」と表現してきましたが、より広い視点で見ると「生きるを支える」ことこそ介護の本質です。看護師は「治す」、セラピストは「機能を回復する」といった役割を担いますが、介護士はその人の暮らしをまるごと支えます。

岩手の北村さんからも「介護福祉士の目的は単なる技術習得から、高齢者一人ひとりの生活を支えることへと変わってきた」とのコメントをいただきました。まさに、介護は医療やリハビリと連携しながらも、生活の中心を支える存在になっているのです。

多職種連携のオーケストラ
介護士が日々の生活を支える中心となり、看護師やリハビリ専門職、食事や住環境の専門家がサポートする──それはまるでオーケストラのようです。尊厳ある暮らしを奏でるために、多職種が共にハーモニーを作り出す。その調和こそが地域包括ケアの理想形といえるでしょう。

地域包括支援センターが相談窓口となり、在宅から施設までをつなぐ仕組みが日本では整備されてきました。しかし、制度だけでなく「生きるを支える」という理念を伝えなければ、本質は理解されません。

日本の歩みをアジアへ
日本の介護保険制度は2000年に始まり、25年の歴史があります。その準備期間も含めれば35年の蓄積です。この歩みを学びたいとする国々に対して、私たちは単に資格制度を説明するのではなく、「介護とは生きるを支える」という視点を伝える必要があります。

昨日のライブでは、ベルさんが「自立支援型の介護を理解できるようになった」と話してくれました。最初は“何でもやってあげる介護”をしていたが、今では“できることを尊重し、必要な部分だけを支える”ケアができるようになったのです。その変化は、日本の介護教育が持つ力を示しています。

物語で伝える尊厳介護
私は最近、教育を「物語」として伝えることに注力しています。資格を取得した人の物語、地域が制度を導入して変わっていく物語──それらを通じて学ぶことで、単なる教科書以上の理解が生まれます。

中国では「社会工作者」という資格があり、地域を基盤に再構築する取り組みが進んでいます。日本の地域包括ケアと同じように、在宅・地域・施設をつなぐ仕組みが模索されているのです。

これから、ここから
日本は医療中心から介護中心へ、そして地域包括ケアへと進んできました。今はさらにAIやICTを取り入れ、地域の拠点を進化させる段階にあります。私は「AI共創センター」という未来像を描いています。AIが人間に代わるのではなく、人間がAIを活用しながら判断し、地域の拠点を築いていく。その中核にあるのは、やはり「尊厳教育」です。

初心者研修から教育者養成まで段階的に学び、座学・事例・実技を重ねる。その学びを土台に、街づくりや経営の安定へとつなげていく。これこそが、アジア各国に広げていくべき尊厳介護の姿だと考えます。

タイやマレーシア、中国との対話を通じて、日本の経験を共有しながら現地の方々が自分の言葉で広げていく。そこにこそ国際化の本当の力が宿ります。私たちが提供できるのは知識や制度だけでなく、「生きるを支える」という理念です。

これから、ここから。尊厳介護をアジアへ、そして未来へ広げていきたいと思います。

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