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【尊厳Well-Kaigo】認知症に気付く方法

【多言語ブログ/末尾に中国語、タイ語、英語の翻訳文を挿入しております】
【多语言博客/文末附有中文、泰文和英文翻译内容】
【บล็อกหลายภาษา/มีคำแปลภาษาจีน ภาษาไทย และภาษาอังกฤษอยู่ท้ายบทความ】
【Multilingual Blog / Translations in Chinese, Thai, and English are included at the end of the article】


はじめに
皆さま、こんにちは。利久です。
今日は「認知症に気付く方法」というテーマでお話しします。

近年、日本をはじめ世界各国で高齢化が進むなか、認知症は避けて通れない大きな課題となっています。認知症を早く察知し、適切に対応することは、ご本人やご家族の生活を守り、尊厳を支えるために欠かせません。本記事では、私自身の経験や現場での学びを交えながら、「認知症に気付く視点」を整理していきます。

認知症は「気付き」から始まる
認知症はある日突然進行するものではなく、日常生活の中で少しずつ変化が現れます。その小さなサインにどれだけ早く気づけるかが、とても大切です。

在宅で暮らす高齢の親御さんについて「最近少し様子が変だ」と感じる瞬間はありませんか?例えば、繰り返し同じことを話す、物忘れが増える、あるいは生活のリズムが乱れてきた――。こうした変化は、認知症の入り口でよく見られる現象です。

私の経験から
私は介護保険制度が始まる前から高齢者住宅や介護付き住宅の運営に携わってきました。当時は認知症に関する情報が少なく、書籍や海外事例を頼りに学ぶしかありませんでした。しかし、幸運なことにスウェーデンやデンマークの実践を研究している方々と出会い、認知症と住環境の関係を学ぶ機会を得ました。

また、マーケティングの視点から生活を捉える方との出会いもありました。日常生活の中で、家族が感じる不安や不便がどのように認知症に結びついていくのかを、女性の生活者視点から教えていただいたことは、今も私の財産になっています。

認知症のサインは「日常の変化」


認知症に気づく最初のサインは、日常生活の小さな変化に現れます。

身体の変化:歩く速度が遅くなる、膝や腰の痛みを訴える
心の変化:イライラする、怒りっぽくなる、不安を口にする
生活の変化:服装が乱れる、入浴を避ける、部屋が散らかる
特に注意したいのは、できていたことが少しずつできなくなる「喪失のプロセス」です。学校教育のように新しいことを獲得していくのではなく、これまでの生活習慣や行動が失われていくことが認知症の特徴です。

一緒に暮らしているからこそ気づける変化
同居している家族は、毎日の変化に気づきにくいことがあります。「昨日と今日の違い」がわずかであるため、小さな変化を見過ごしてしまうのです。一方で、離れて暮らす家族や親戚が久しぶりに訪れると、「雰囲気が変わった」「身だしなみが乱れている」といった大きな変化に気づくことがあります。

時には生活空間そのものが乱れていることで気づくこともあります。ゴミが片付いていない、トイレが汚れている、台所が使われていないなど、生活環境に現れるサインは見逃せません。

加齢による物忘れと認知症の物忘れ
よく質問されるのが、「加齢による物忘れと認知症による物忘れはどう違うのか」という点です。

加齢による物忘れ:忘れたことを自覚しており、きっかけがあれば思い出せる
認知症による物忘れ:忘れたこと自体を覚えていない。自覚がなく、行為そのものを忘れてしまう
例えば、昼食を食べたことを忘れて「まだ食べていない」と主張するのは認知症の典型的なサインです。この違いを理解することが早期発見の第一歩となります。

小さな変化を積み重ねて判断する
認知症の進行を早期に察知するには、日常の小さな変化に気づく力が必要です。

言葉遣いが以前と違う
表情が乏しくなった
怒りや否定が増えた
衣服の着方が乱れてきた

こうした変化を一つひとつ見逃さずに観察することが大切です。特に離れて暮らす場合は、電話での声の調子や会話内容、定期的な訪問などを通じて確認していくことが重要です。

情報と判断力が不可欠
認知症の兆候を見つけても、それをどう判断し、どのように対応するかは容易ではありません。インターネット上には多くの情報がありますが、その真偽を見極め、自分の家族に合った対応を選ぶには知識が必要です。

介護制度、地域の相談窓口、専門職の存在を知っておくことで、必要なときに適切な相談先へつなげることができます。相談は一度で終わるものではなく、繰り返すことで解決の糸口が見えてくることも多いのです。

尊厳を守る視点で判断する
忘れてはならないのは、認知症に気づくことの目的は単なる早期発見ではなく、「尊厳を守ること」です。

生活が乱れても、本人の誇りを傷つけない
物忘れが増えても、恥をかかせない
表情や感情の変化も、その人らしさとして受け止める
こうした姿勢が、ご本人の安心感や家族との信頼関係につながっていきます。

これから、ここから
認知症に気づく方法は、医学的な検査だけではなく、日常の小さな変化を丁寧に見つめることから始まります。気づいたときにどう受け止めるか、その判断の基準を「尊厳」に置くことが何よりも大切です。

年を重ねる親の変化に気づくこと、それを受け止めて支えていくこと。それこそが尊厳介護の第一歩です。

ご質問は本サイトの「お問い合わせ欄」からお気軽にお寄せください。

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