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【尊厳介護Well-Kaigo】相談する介護

【多言語ブログ/末尾に中国語、タイ語、英語の翻訳文を挿入しております】
【多语言博客/文末附有中文、泰文和英文翻译内容】
【บล็อกหลายภาษา/มีคำแปลภาษาจีน ภาษาไทย และภาษาอังกฤษอยู่ท้ายบทความ】
【Multilingual Blog / Translations in Chinese, Thai, and English are included at the end of the article】


はじめに
皆さま、こんにちは。利久です。
今日のテーマは「相談する介護」です。
介護という言葉を耳にすると、技術や制度の話を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、実際には「誰に相談できるか」がとても重要な意味を持ちます。年齢を重ねることで体や生活が変化し、不安が大きくなることもあります。そんな時に頼れる相談先を知っておくことは、介護を受ける本人や家族にとって心強い支えになるのです。

高齢期に生じる不安と相談の必要性


老いを受け入れることは簡単ではありません。
体力や生活習慣の変化に加え、退職後の役割の変化、家族関係の調整など、多くの課題が押し寄せます。「認知症になったらどうするのか」「介護が必要になったら費用はどうするのか」
──こうした不安に直面したとき、まず必要になるのが「相談」です。

地域包括支援センターの役割
介護保険制度の中で、最も身近な相談窓口が「地域包括支援センター」です。ここでは介護保険の利用方法や予防の取り組み、認定申請に関する相談を受けることができます。また、介護予防教室や福祉用具の展示コーナーなど、生活に役立つ情報を提供してくれる場でもあります。ただし、地域のサービス利用に関する相談が中心で、家族関係や個別の事情に深く立ち入るのは難しい場合もあります。

ケアマネージャーとの相談
居宅介護支援事業所に所属するケアマネージャーは、介護保険のプロフェッショナルです。介護サービスを組み合わせてケアプランを作成し、利用者の生活を支えます。ただし、介護保険制度に関わる相談は得意でも、社会学的な課題や家族関係など幅広い問題は専門外となることもあります。
相談内容によって、対応の幅に差が出るのも事実です。

生活相談員の存在
特別養護老人ホームやデイサービスなどの施設には「生活相談員」が配置されています。入所や利用に関する手続き、制度の説明、役所とのやり取りを担う重要な役割です。名称には「生活」という言葉が含まれており、介護そのものではなく生活全般を視野に入れた相談役であることを示しています。

専門職による支援と役割分担
施設内には「施設ケアマネージャー」も配置され、入居後の生活をどのように組み立てていくかを計画します。このように、相談窓口は多岐にわたり、役割分担が明確にされています。サービスに関する相談は生活相談員が担い、実際の計画はケアマネージャーが作成する、といった仕組みです。

制度外の相談と不安解消
一方で、介護をめぐる悩みは制度だけでは解決できないことも多くあります。家族関係や財産管理、相続といった法的な問題、あるいは心理的な不安に関しては、それぞれの専門家の支援が必要です。
弁護士や司法書士、精神保健福祉士など、多様な専門職に橋渡しできる総合的な相談窓口が求められています。

病院における相談体制
入院時には「メディカソーシャルワーカー(MSW)」が配置されており、退院後の生活や介護サービスへの接続を支援してくれます。医療と介護の間をつなぐ役割として、非常に重要な存在です。

日本と海外の比較
日本には多くの相談窓口が整備され、社会福祉士や介護福祉士など国家資格を持つ専門職が配置されています。
一方、中国では2008年から「社会工作者」という制度が始まりましたが、お話を聞くとまだ十分に機能していないようです。
今後は日本のように、介護と生活支援を担う専門職の育成が重要になっていくでしょう。

AI時代の相談のかたち
近年ではAIに相談するという方法も広がっています。基礎情報を得るには有効ですが、感情や家族関係といった微妙な領域は人間だからこそ支えられる部分です。AIと専門職の両方を活用することで、より安心できる相談環境が整うのではないでしょうか。

相談は「聞くこと」から始まる
介護の相談において大切なのは、答えを出すことだけではありません。まずは不安や悩みを「聞いてもらう」ことが出発点になります。その過程で安心感が生まれ、新しい視点や解決策につながっていきます。相談は一度きりではなく、状況の変化に応じて続いていく連鎖的な営みでもあるのです。

これから、ここから
介護は不安から始まり、相談から進んでいきます。地域包括支援センターやケアマネージャー、生活相談員、医療ソーシャルワーカーなど、頼れる人は多く存在します。そして、家族や友人、さらにはAIまで、相談の選択肢は広がっています。大切なのは「一人で抱え込まないこと」です。相談することが、尊厳ある介護への第一歩になるのです。

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