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【尊厳Well-Kaigo】セロトニンを引き出す介護の工夫

【多言語ブログ/末尾に中国語、タイ語、英語の翻訳文を挿入しております】
【多语言博客/文末附有中文、泰文和英文翻译内容】
【บล็อกหลายภาษา/มีคำแปลภาษาจีน ภาษาไทย และภาษาอังกฤษอยู่ท้ายบทความ】
【Multilingual Blog / Translations in Chinese, Thai, and English are included at the end of the article】


〜脳と心に響く「朝のリズムケア」〜

はじめに:介護と脳内伝達物質のつながり
こんにちは、ウエルエイジング・アワーの小川利久です。今回のテーマは「セロトニンを引き出す介護の工夫」です。

超高齢社会だからこそ、身体的な介護だけでなく、心の安定や安心感を育むことがますます求められています。そうした中で注目すべきなのが、脳内伝達物質・セロトニンです。これは「幸せホルモン」とも呼ばれ、感情の安定、睡眠、食欲の調整など、心身のバランスに深く関わっています。

セロトニンはどうすれば出るのか?


セロトニンは、朝日を浴びる、規則正しい生活リズム、リズム運動(歩く・噛む・手を叩く)といった習慣的行動によって活性化されます。実はこれらの行動は、特別なトレーニングではなく、日常の中で意識的に取り入れることができます。

たとえば、朝の時間に、日の当たる廊下で車椅子の方が手を叩いたり、足踏みをしたりするだけでも、脳は刺激を受けてセロトニンを分泌します。
これは科学的にも示唆されていることであり、「気持ちが落ち着いた」「笑顔が自然に出てきた」といった実感としても表れます。

「噛むこと」もリズム運動
セロトニンを出す手段は、歩くだけではありません。咀嚼(そしゃく)=噛むことも非常に重要です。食事中にしっかり噛むという行為は、リズム運動として脳を刺激し、結果的にセロトニンの分泌につながります。

「安全に食べる」という食事介助の本来の目的に加えて、「噛むことで幸せを感じる」という視点を取り入れることで、食事の時間そのものがより豊かなものになります。

朝のセロトニンは夜のメラトニンに
セロトニンがさらに重要なのは、夜の眠りにもつながっているという点です。朝にセロトニンがしっかり分泌されることで、夜には「メラトニン」として睡眠ホルモンに変化し、深く良質な眠りを促してくれます。

つまり、「朝の過ごし方が夜の睡眠の質を決める」ともいえるのです。これを踏まえると、朝にこそ介護職員のケア力が最も求められる“ゴールデンタイム”とも言えるでしょう。

生活リズムと夜勤の引き継ぎ
介護施設では、夜勤スタッフと日勤スタッフの間での引き継ぎの質も重要です。「今日の問題点」だけでなく、「今日は朝にどのような活動をし、セロトニンの分泌がどのように促されたか」といった情報共有も含めることで、夜勤の質も向上します。

夜眠れない高齢者の多くは、日中にウトウトしていることが多く、これが昼夜逆転の原因になります。日中の活動を見直し、朝からリズムある介護を実践することが、結果的に夜勤者の負担を軽減する鍵にもなるのです。

セロトニンケアの組織的活用
セロトニンを引き出すケアは、個人の取り組みにとどめるのではなく、ケアプランや施設全体の方針に取り入れることが理想です。たとえば、朝の活動メニューに「朝日を浴びる散歩」や「リズム運動」を組み込む。実践できない場合も、室内での手拍子やストレッチ、咀嚼を意識した食事介助で代替することが可能です。

こうした工夫をチーム全体で共有し、記録や振り返りの中で実感できるようにすることが、スタッフのモチベーション向上にもつながります。

ロールプレイで気づく変化


最近、訪問介護士の皆さんとともに、目線の合わせ方や声かけの仕方など、非言語的なコミュニケーションに関するロールプレイ動画を撮影しました。

同じ内容を話しても、立ったまま話すのと、目線を合わせて微笑みながら話すのでは、相手の表情や反応がまったく異なります。この違いに介護スタッフ自身も気づき、「やってきたことに意味があった」と実感されていました。

エビデンスは「行動」の後からついてくる
セロトニン、ドーパミン、オキシトシンといった脳科学のエビデンスは、介護現場での実践を裏づけてくれる存在です。まずやってみて、表情の変化や気持ちの安定を観察し、うまくいった事例を共有すること。それが、より良いケアの土台となります。

これから、ここから:地域全体でセロトニンを育む
高齢社会における介護は、家庭、施設、地域の枠を越えて連携していく必要があります。
朝の公園でセロトニンを浴びながら散歩する車椅子の方々がもっと増えていく、そんな地域社会をつくっていくことが、これからの尊厳ある介護の道ではないでしょうか。

↓↓↓詳細はPodcastから「ながら聴取」をしてください。

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