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【尊厳Well-Kaigo】ユニットケアとテクノロジー

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【多言語ブログ/末尾に中国語、タイ語、英語の翻訳文を挿入しております】
【多语言博客/文末附有中文、泰文和英文翻译内容】
【บล็อกหลายภาษา/มีคำแปลภาษาจีน ภาษาไทย และภาษาอังกฤษอยู่ท้ายบทความ】
【Multilingual Blog / Translations in Chinese, Thai, and English are included at the end of the article】


〜生活の単位から考える介護の未来〜

ユニットケアの背景にある「生活の単位」
今回は「ユニットケアとテクノロジー」というテーマでお話しします。
今、私は中国からの視察団のご案内をしており、昨日はユニット型特別養護老人ホームの見学に同行しました。そこでは、AIや見守りセンサーなど最新のテクノロジーを導入している現場を視察し、専門家を交えてディスカッションも行いました。

その中で改めて感じたのは、「テクノロジーをどう使うか」よりも、「なぜその仕組みが必要なのか」という視点が大切だということです。
その根底にあるのが、「ユニットケア=生活の単位としての介護」という考え方です。

「ユニット」は何の単位?
「ユニット」とは単位という意味ですが、介護の現場においては「生活の単位」を指します。
つまり、一人ひとりが自分らしく暮らすための最小の生活空間と人間関係の単位です。

従来の施設では4人部屋が一般的で、「介護の単位」はベッド数により構成されていました。しかし、これはあくまでも病院的な発想。ユニットケアでは、暮らしそのものを支える視点から、「1人1人の生活」に焦点を当てています。

ユニットケアの成り立ちと制度化
日本のユニットケアは、もともと「小規模生活単位型」として始まりました。その後、「ユニット型特別養護老人ホーム」という施設区分として制度化され、現在では全国的に広まっています。

ただし、施設の構造が「ユニット型」であっても、その中で行われるケアの内容が「ユニットケア」であるとは限りません。
「ユニット型」は建物の種類、「ユニットケア」はケアの方法。この違いを理解することが重要です。

10人という単位の意味


ユニット型特養では、原則として「10人1ユニット」が基準とされています。この10人という数には、「家族のような関係性を再構築する」という意味が込められています。

かつての大家族のように、生活リズムや好みの違いを尊重しながら、1つの空間で共に暮らす。その姿を目指してユニットケアは設計されています。
たとえば、朝食の卵料理ひとつとっても、長男は目玉焼き、次男はスクランブルエッグ、長女は生卵、といった個別の希望に応えるような日常。それが実現されるべき生活の単位なのです。

テクノロジーは「生活の再構築」のためにある
センサーや介護記録システム、ロボットなど、今の介護現場には多くのテクノロジーが導入されています。
しかし、これらは単なる効率化のためではなく、「ユニットケアを実現するため」に使われるべきものです。

たとえば、夜間見守りセンサーがあることで、個別の睡眠リズムに合わせたケアが可能になります。それは、生活の単位を守る支援に他なりません。

施設は「まちの一部」であるという視点
介護の単位を考える際、私たちは「街の単位」にも目を向けるべきです。
たとえば、小学校区は子どもが歩いて通える範囲、中学校区は自転車で15分ほどの範囲。そして地域包括支援センターや訪問介護などの配置も、この「生活圏」を基に設計されています。

ユニットケアもまた、その人が住み慣れた地域で「暮らす」ことを前提としたケアのあり方であり、「施設」ではなく「住まい」であるという認識が求められます。

なぜ今、もう一度原点に立ち返る必要があるのか
介護保険制度が始まってから25年が経ちました。制度は整い、標準化された説明が主流となっていますが、その背景にあった「思考錯誤」や「議論の過程」が忘れられつつあります。

特に今、中国や海外から「日本の介護を学びたい」という声が届いています。彼らに伝えるべきは、目の前の制度ではなく、制度をつくるに至った思考と哲学です。

それは日本の介護にとっても、原点を見直す絶好の機会ではないでしょうか。

これから、ここから
ユニットケアは単なる配置や建築様式ではなく、「生活の質」を問うための哲学です。
一人ひとりの暮らしを尊重し、その人らしい生き方を支える――その原点にもう一度立ち返ることで、これからのテクノロジーとの融合も、本質を見失わずに進められるのではないでしょうか。

今、介護の本質を問い直す時です。
これから、ここから。

↓↓↓詳細はPodcastから「ながら聴取」をしてください。

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