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【介護選び】25年前には当たり前でなかったこと

(末尾に中国語、タイ語、英語の翻訳文を挿入しております)
文末附有中文、泰文和英文翻译
ส่วนท้ายมีการแปลเป็นภาษาจีน ภาษาไทย และภาษาอังกฤษ
Translations in Chinese, Thai, and English are provided at the end.

今から25年前、つまり2000年以前、介護の世界は今とは大きく異なっていました。
当時は「措置制度」と呼ばれる仕組みがあり、行政が介護サービスを割り振る形で提供されていました。つまり、利用者が自らサービスを選ぶという概念がなかったのです。

介護保険制度の登場で変わったこと
2000年に介護保険制度が施行され、「介護サービスを選ぶ」という考え方が広まりました。それまでは、行政の指示に従って決められたサービスを受けるのが当たり前でした。しかし、介護保険制度の導入により、利用者自身がサービスを選べるようになり、多様なサービスが登場するきっかけとなりました。

介護保険制度は「市場化」とも表現されましたが、それに対しては賛否がありました。ただ、市場化というのは「選択肢が増えること」と捉えることもできます。現在の介護保険制度では、公費と保険料で賄われる仕組みとなっており、個人の選択肢が広がりました。

25年前にはなかった、今では当たり前のもの
それでは、25年前には存在しなかった、もしくは一般的でなかったものを振り返ってみましょう。

  1. 老人ホームの個室
    今では個室が一般的ですが、25年前の特別養護老人ホームではほとんどが多床室でした。個室が導入されたのは、比較的最近のことなのです。
  2. デイサービスの普及
    現在、街中を走るデイサービスの送迎車を見かけることは珍しくありません。しかし、当時はデイサービス自体が一般的ではなく、送迎サービスもありませんでした。
  3. 介護職員の処遇改善制度
    介護職員の給与改善や待遇向上のための施策はほとんど存在していませんでした。介護は家事援助の延長と見なされ、十分な報酬が得られない仕事だったのです。
  4. ショートステイや福祉用具の貸与
    一時的な介護支援としてのショートステイもほとんど存在しませんでした。また、車椅子や介護ベッドをレンタルできる福祉用具貸与の制度もありませんでした。
  5. 在宅介護の価値観の変化
    他人を自宅に招き入れて介護を受けるという考え方は、当時は一般的ではありませんでした。家族が介護することが当たり前であり、介護を外部に委ねることに抵抗感がありました。
  6. 認知症介護の進化
    現在は認知症に対する理解が進み、専門フロアやグループホームなどが整備されていますが、当時は「痴呆」と呼ばれ、認知症介護に関する体系的な仕組みはほとんど存在していませんでした。
  7. 介護ロボットや福祉機器の進化
    介護ロボットやリフト付き浴槽、姿勢保持機能付き車椅子など、今では当たり前に使われている福祉機器も、25年前にはほとんど見られませんでした。
  8. 介護休業制度の整備
    今では働く人が介護のために休業を取得できる制度がありますが、当時はそうした制度が整っておらず、家族の負担が非常に大きかったのです。
  9. 高齢者住宅の多様化
    現在のようなサービス付き高齢者向け住宅やシニア向けマンションはなく、高齢者の住まい選びは限られていました。特に、「老人ホーム」という言葉はあったものの、その選択肢は非常に限られていました。
  10. 介護の社会的認知度の向上
    介護職員の専門性が確立され、介護福祉士やケアマネージャーといった資格が制度化されたのも、この25年の大きな変化です。それ以前は、介護は主に家族が担うものとされ、専門職としての地位は確立されていませんでした。

介護選びが当たり前になった時代
介護保険制度の導入により、サービスを選ぶことが可能になり、個別ケアが進みました。その一方で、選択肢が増えたことで、どのサービスを選ぶべきか悩む人も増えています。これが「介護選び」という新たな課題につながっています。

また、家族の介護負担が軽減されたとはいえ、今なお「介護離職」の問題もあります。働きながら介護をすることの難しさは、現在も社会的な課題として残っています。

これから、ここから


25年前と比較すると、介護の世界は大きく変化しました。選択肢が増え、より個別に対応できるサービスが整備された一方で、制度の複雑化や人手不足など、新たな課題も生まれています。
介護の仕事はまさしく発明であり、イノベーションのビジネスです。

これから日本の介護の仕組みを学ぶ国々が増えていくでしょう。私たちがこれまで築き上げてきた介護の知見を活かし、より良い未来を創っていくことが求められています。

今後も、「介護選び」がより良いものになるよう、私はどのような視点を持つべきか、考えていきたいと思います。
共感いただける方のご連絡をお待ちしています。

↓↓↓詳細はPodcastから「ながら聴取」をしてください。

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