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【介護経営】看取りが介護経営を左右する理由

【末尾に中国語、タイ語、英語の翻訳文を挿入しております】
文末附有中文、泰文和英文翻译
ส่วนท้ายมีการแปลเป็นภาษาจีน ภาษาไทย และภาษาอังกฤษ
Translations in Chinese, Thai, and English are provided at the end.

【介護経営】看取り介護が経営を左右する本当の理由
今回は「看取り介護が介護経営を左右する理由」についてお話ししたいと思います。

私は全国の介護施設をサポートする介護経営コンサルタントとして、多くの施設運営に関わってきました。その中で確信しているのが、看取り介護の質が、その施設の経営を大きく左右するという事実です。

なぜ看取り介護が経営に影響するのか
看取り介護とは、入居者が人生の最終段階を迎える場面で、その人らしく穏やかに旅立てるよう支援する介護です。
しかしそれは単なる「死を見届ける」行為ではありません。
多職種連携、医療との関係性、家族との合意形成など、非常に高い総合力が求められます。

そして、この看取り介護を制度に基づいて実践できているかどうかが、介護報酬の「看取り介護加算」の取得に直結します。この加算が得られない場合、重度者を多く受け入れても、経営は赤字に陥りやすくなるのです。

加算取得のための条件とは?
看取り介護加算を取得するには、医師の協力、死亡診断書の作成、入居時の説明、家族との合意形成、看護師を中心とした教育体制、定期的なカンファレンスなど、数多くの要件を満たす必要があります。

多くの施設が「看取りをしています」と言いながら、これらの条件を満たせずに加算が取れていないというのが実情です。
「看取り=人が亡くなること」ではなく、制度上の基準を理解し、それに則った体制作りをしていくことが不可欠です。

究極の個別介護としての看取り介護



看取り介護とは、まさに究極の個別介護です。その人がどう生きてきたか、家族の思い、医療の必要性、宗教観や死生観など、すべてを踏まえた上で支援を組み立てていきます。

それが実現できている施設は、チームの方向性が揃い、医療との連携ができ、職員の離職が少なくなり、結果的に評判が高まるという好循環が生まれます。

看取りがもたらす“職員の成長”と“家族の感謝”
看取りを経験した職員は、介護という仕事の本質に気づき、「この仕事に出会えてよかった」と感じるようになります。
看取りを通じてご家族から「ありがとう」の言葉を受け取る瞬間、職員の心に火が灯るのです。

これは職員の定着率を高め、結果的に採用コストや教育コストの削減にもつながります。
施設全体の雰囲気も落ち着き、入居率・稼働率も安定します。

看取り介護は“いのちをつなぐ営み”
看取り介護は介護士だけが行うものではありません。
ご家族と共に“命をつなぐ営み”として、介護施設がセカンドファミリーとなり、入居者の人生の最期を支えるという姿勢が求められます。

そしてその積み重ねが、地域に根ざした介護の信頼、そして未来の介護のかたちへとつながっていきます。

最期を病院ではなく、暮らしの場で
日本では90%以上の方が病院で亡くなっていますが、本来、病院は「治す場所」であり「最期を迎える場所」ではないはずです。

介護施設であれば、入居時の表玄関から、地域に送り出す“人生の出口”としての役割を果たすことができます。

この文化を作っていくことが、介護施設の新たな使命ではないでしょうか。


これから、ここから
私が伝えたいのは、「看取りができる介護施設を選んでください」ということです。
それはご家族へのメッセージであり、施設職員、経営者、そして政策関係者へのメッセージでもあります。

人生の入口が「認知症」だとすれば、出口である「看取り」をしっかり支えることこそが、日本の介護の本質であり、これからの高齢社会におけるアジア諸国への大切なメッセージでもあります。

今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

介護経営が、いのちと向き合う“看取り”から変わることを願っています。

↓↓↓詳細はPodcastから「ながら聴取」をしてください。

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