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【介護選び】帰りたいところへ〜心象風景

(末尾に中国語、タイ語、英語の翻訳文を挿入しております)
文末附有中文、泰文和英文翻译
ส่วนท้ายมีการแปลเป็นภาษาจีน ภาษาไทย และภาษาอังกฤษ
Translations in Chinese, Thai, and English are provided at the end.

今回は「介護選び:帰りたいところへ」というテーマでお話しします。
年末年始、どこに帰りたいですか?
私は田舎出身なので実家に帰りたい気持ちはありますが、今年も東京で過ごす予定です。

「帰りたいところ」という言葉は、介護選びだけでなく、生き方全般において重要なキーワードだと感じます。
私が尊敬する哲学者も「帰りたい場所を3つ挙げ、それぞれを振り返ろう」と提唱しています。
これは介護の選択にも深く関わるテーマです。

年に一度、故郷に帰ることは心のリセットの役割を果たします。
直接帰ることが難しくても、電話や手紙で家族と繋がることも「帰る」という行為に含まれます。
コロナ禍では多くの人が故郷に帰れず、手紙を書くことで心を繋ごうとする運動もありました。
手紙には、時代を超える力があります。

「帰りたいところ」とは、単なる場所ではなく、自分の“原風景”に立ち返ることです。
原風景とは、生まれ育った場所や経験、記憶が織りなす心の景色です。
それは故郷や家族、あるいは思い出の中に存在します。

介護施設選びにおいても「帰りたいところ」という視点は重要です。
かつて、特別養護老人ホーム(特養)では年末年始に一時帰宅を支援する制度があり、介護報酬の加算対象でもありました。現在その制度が続いているかは確認が必要ですが、国がその重要性を認めていた証拠です。

しかし、特養は「住まい」であるべきであり、「施設」という言葉が持つ収容所のようなイメージは払拭されるべきです。
今では特養は「自宅ではない在宅」(故・外山義さん提唱)の中の第二の「自宅」として機能し、介護職員は「セカンドファミリー」として生活を支えています。

年末年始、多くの家族が特養を訪れ、家族団欒の時間を過ごします。
ここは単なる施設ではなく、帰りたい場所、家族が集う場所として機能しているのです。
「帰りたいところ」が物理的な場所ではなく、「会いたい人がいる場所」であるという視点も重要です。

さらに、海外に住む日本人の高齢者の中には「帰る場所」を求める心情が強まる方もいます。
自分の老いを感じ始め、故郷や家族、同級生との再会を望む気持ちは、普遍的なものです。これは単なるノスタルジーではなく、心のリハビリとも言えるでしょう。

リハビリには身体的機能回復だけでなく、心の回復も含まれます。家族や故郷との繋がり、介護スタッフの支えが、心のリハビリをもたらすのです。

年末年始は、「帰りたいところ」を考える絶好の機会です。
介護施設が「帰る場所」として機能するためには、物理的なサポートだけでなく、心の繋がりが大切です。
特養が「住まい」として、家族が安心して訪れ、共に時間を過ごせる場所であること。
それが理想の介護選びの一つの形ではないでしょうか。

最後に、都会の年末年始は少し静かで澄んだ空気に包まれます。
私もその静けさの中で、自分の「帰りたいところ」に想いを馳せながら、新たな年を迎えたいと思います。

この時期、「帰りたいところ」について少し考えてみてはいかがでしょうか。

それが介護選びや人生の選択において、大切な指針になるかもしれません。

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