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エイジングを考える:「シンドラーのリスト」からの学び

おはようございます。日々の暮らしの中で私たちが見落としがちな「老い」や「介護」というテーマを、映画「シンドラーのリスト」を通して考えてみませんか?
今回は、第二次世界大戦中の悲劇を描いたこの映画から学ぶエイジングの意味と
社会の中での人間性について深掘りしていきます。

歴史が教えてくれる人間の本質
映画「シンドラーのリスト」は、スティーブン・スピルバーグ監督による白黒映画です。
物語の舞台は第二次世界大戦下、ナチス・ドイツの支配下に置かれたユダヤ人たちがアウシュビッツ収容所に送られる運命を描いています。
その中で、実業家オスカー・シンドラーがユダヤ人を守るためにリストを作成し、1,100人以上の命を救った実話に基づいています。

この映画を観るとき、多くの人が感じるのは、「なぜ人は他者を迫害するのか」という問いです。
ナチスが掲げた政策のもと、多くの人々が加害者側に回りました。
その背景には、自身の命を守るために従わざるを得なかった状況もあるでしょう。しかし、それでも自分の意志を貫き、人を助ける行動に移ることができたシンドラーのような人間がいたことも事実です。

エイジングと介護に通じる教訓
この映画を「老い」や「介護」というテーマと結びつけて考えてみると、人間社会における「役に立つ人」と「役に立たない人」という価値観の分断が浮き彫りになります。
かつての社会では、高齢者や障害を持つ人たちは生産性がないと見なされ、社会から排除されることがありました。
例えば、戦後日本の老人ホームや養老院の歴史を振り返ると、高齢者が「役に立たない」とされた結果、社会の片隅に追いやられていた現実があります。

このような過去の出来事を振り返ると、介護の現場においても、「生産性」や「負担」という言葉で人を分類することの危険性に気づかされます。
人間は年を重ねるにつれて働くことが難しくなるかもしれませんが、それがその人の価値を否定する理由にはなりません。
むしろ、その人が生きてきた人生の重みや経験を尊重する姿勢が求められます。

赤い服の少女が語るもの
「シンドラーのリスト」の中で、唯一色がついている赤い服の少女のシーンがあります。
背景が白黒の中で、赤い服が象徴するものは何なのでしょうか?それは、希望であり、人間の尊厳であり、あるいは無垢な命の象徴とも言えます。
スピルバーグがこのシーンを通じて伝えたかったメッセージは、戦争や迫害という大きな力の中でも、人間性を見失わないことの大切さではないでしょうか。

これから、ここから〜 現代に生きる私たちへのメッセージ

今、私たちは人生100年時代を迎えています。
高齢者が増え、介護の必要性が高まる中で、どのように社会として支え合うべきかを問われています。
「シンドラーのリスト」が伝えるメッセージを現代に置き換えれば、すべての人が尊厳を持って生きられる社会をつくることこそ、私たちに与えられた使命ではないでしょうか。

高齢者や介護が必要な人たちに対し、「役に立たない」というレッテルを貼るのではなく、その人の価値や存在意義を尊重する社会。
それを実現するためには、歴史の教訓を活かしつつ、私たち一人ひとりが意識を変えていく必要があります。

「シンドラーのリスト」をきっかけに、エイジングや介護について考える時間を持つ。
それは、未来の私たち自身の姿を見つめ直すことでもあります。

老いの受容から人間の尊厳を守るために何ができるのかを、これからも問い続けていきたいと思います。

↓↓↓詳細はPodcastからながら聴取をお楽しみください。

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