介護ビジネスの未来を語る
「第6回グループコンサルピッチ大会」
振り返りレポート
介護の現場で、どのような心構えで未来を描くのか。
先日開催された「介護ビジネスグループコンサルピッチ大会」は、そのヒントに満ちていました。
各プレゼンターが10分という限られた時間の中で、情熱とビジョンを語るプレゼンテーションは、聞き手の心に深く響くものでした。今回は、この大会の振り返りとともに、印象的だったプレゼン内容を紹介します。
写真が紡ぐ「長生きアルバム」
最初に登壇したのは、フォトストーリーコーチを名乗るプレゼンター。彼女は、写真を単なる物としてではなく、人と人をつなぐツールに変える取り組みを行っています。
「ご実家にはどれだけの写真が眠っていますか?」
という問いかけから始まり、
家族や大切な人たちとの思い出を振り返り、それを未来に引き継ぐための「長生きアルバム」制作を提案。単にアルバムを作るだけではなく、写真を通じて会話を生み出し、シニアの認知機能向上や発話の促進にも役立てるという、実用性と感動を兼ね備えたアイデアが話題を呼びました。
また、このアルバム制作依頼者のインタビュー動画から
「母親がアルバム制作を通じて自分の人生を振り返り、『子育てをした私は大変だったけどよく頑張った』と誇りを持てた」というエピソードには、多くの共感が集まりました。
写真という小さな媒体が、大きな心の変化を引き起こす力を持っていることを改めて実感させられました。
ファンクショナルハーネスで健康を支える
次のプレゼンは、姿勢と歩行改善の専門家であるトレーナーのプレゼン。彼女は「ファンクショナルハーネス」というツールを活用し、高齢者の姿勢改善や転倒リスクの軽減を実現する方法を紹介しました。
プレゼンでは、実際の利用例として「ハーネスを装着することで歩行が劇的に改善した母親」のエピソードが語られました。特に印象的だったのは、「ハーネスを使うことで骨盤が立ち、呼吸が深くなることで体全体が活性化する」という科学的な裏付けと、具体的な成果の両面からのアプローチです。
プレゼンターは看護師としての経験を活かし、「看護師だからこそ実感できる健康の重要性を多くの人に伝えたい」と語り、ハーネスが医療現場や介護施設でも幅広く活用される未来を目指していると述べました。
自己資源と物語の力
大会を通じて印象的だったのは、プレゼンターが「自己資源(自分自身の経験や情熱)」を活かし、心を動かす物語を語っていたことです。
例えば、「自分が看護師として患者の最後を見届ける中で学んだこと」や「母親を健康に保つために新しい道を切り開いた経験」といった個々のエピソードが、単なる商品やサービスの説明に深みを与えていました。
このように、自らの経験や情熱をストーリーとして語ることで、聞き手との共感を生み出し、単なる説明ではなく「感動」を与えるプレゼンに仕上げている点が、どのプレゼンターにも共通していた魅力でした。
未来を変える介護ビジネス
今回のピッチ大会では、介護の現場で使えるツールやサービスが紹介されるだけでなく、「介護を通じて社会をどう変えるか」という大きな視点が語られました。
参加者の中には、「この商品やサービスが世の中を変える一助になる」という確信を持って取り組んでいる方が多く、その熱意が場を大いに盛り上げました。
また、聞き手側からも鋭い意見や感想が飛び交い、単なるプレゼンの場に留まらず、全員が参加する双方向の場となったことがこの大会の大きな特徴です。
これから、ここから
「介護ビジネスグループコンサルピッチ大会」は、介護というテーマを軸に、人々の心に響くアイデアや物語が次々と発表される感動的な場でした。
これらの取り組みが、現場で働く人々や高齢者、その家族にどのような変化をもたらすのか、今後の展開が非常に楽しみです。
介護の現場に必要なのは、商品やサービスそのものだけではなく、それを支える「人の思い」と「未来へのビジョン」です。
この大会で語られた情熱とストーリーが、介護ビジネスの未来を照らす一歩となることを期待しています。
水野 彩さん/フォトストーリーコーチ
(テーマ)見返して世代間の心を繋ぐ「長生きアルバム」
小室いずみさん/腰&姿勢サポートアドバイザー
(テーマ)ファンクショナルハーネス
介護経営の専門家アドバイザー
田村武晴
介護ビジネス戦略デザイナー
おうちデイ新聞発行責任者
もとデイサービスの経営者
日本ウエルエージング協会理事
小川 利久
介護ビジネス戦略クリエイター
(株)エイジング・サポート代表
もと社会福祉法人本部長
特別養護老人ホーム施設長
日本ウエルエージング協会6代目会長
↓↓↓ダイジェスト版動画は以下をクリックしてご視聴ください。
コメント